数千年前、地下深くに大きな文明が存在した。そこには<天灯>という人工太陽が並び、人々に光をもたらしていた。太古の昔、“仮面の王”シーアルガンが現れ、この地下世界に災いをなすとされる<ククリ>を封印し、<天灯>を灯して人々を暗闇から解放した。シーアルガンは救世主と崇められ、絶対的な存在となった。 シーアルガンに仕え<天灯>を管理するのは、暗闇を照らすことを使命としている天灯一族。一族の子供であるリィリンと兄のサウダは、徐々に少なくなっている<天灯>の燃料、<レイジュ>を探しているうちに、一人の男と出会う。その男とは、シーアルガンの怒りを買って<天灯>を消された村の出身であるマサラ―。マサラと行動を共にするうちに、リィリンとサウダは、 今まで見たことのない世界の存在を知ってしまう。リィリンと地下世界の運命を大きく変える物語が動き始める――。
黄军
さとうふみかず