日本有数の遊郭として知られる熊本の東雲楼に、女将の鶴と、お茶子頭として働く志津がいた。2人は20年前に東雲楼で知り合い、姉妹のように親しくなった。志津は鉄道工の執行という男と結婚したいと考えていたが、鶴はその話に猛反対していた。鶴は自分のパトロンである相場師の山岡が事業に失敗したことを知り、東雲楼を担保にして有働組から資金を借りる。しかし東雲楼を手に入れたい有働組の組長に謀られ、山岡は事業に失敗し自殺。東雲楼が有働組の手に渡る直前、志津の働きで借金返済のめどがついた。しかし鶴は山岡の事業失敗の原因が志津にあると、彼女を東雲楼から追放してしまう。
関本郁夫