沙里が11歳のとき、両親は離婚し、母親は大好きな弟を連れて出て行った。それから3年。だらしのない父親と部費も払えないギリギリの生活を送るなか、陸上部エースながらも傍若無人に過ごしていた沙里は、久々にスーパーで弟と再会する。しかし傍にいたのは沙里の母親と、沙里とは水と油のような関係の陸上部部長・雪菜…。かたまる沙里に母は告げる。「あの人から聞いてないの? 再婚の話。雪菜ちゃんのお父さんと、って…」行き場の失った少女はどこへ向かうのか、逃げ続けた少女の行方は…。
山嵜晋平