リブラシティの事件から2年。行方不明となったベムたち妖怪⼈間の行方を探し続けていた刑事・ソニアは、⽬撃情報を元に「ドラコ・ケミカル」という製薬会社を訪れる。そこで出会ったのは、逞しく成⻑し、たった⼀⼈で悪と戦い続けるベロ、戦いを拒み、普通の⼥の⼦としての暮らしを望むベラ、そして、ベムにそっくりな姿の"ベルム"という男だった。ベルムは、⾃分のことをベムと呼ぶソニアとの接触以来、毎夜、悪夢にうなされることになる。愛する妻と⼦どもに囲まれた暖かい家庭。優しい街の⼈々とのいつもの交流。気の置けない同僚と、やりがいのある仕事。そんな、自分にとってごく普通の、変わらないはずの⽇常が、音を立てて崩れ落ちていく。彼らの運命はすれ違い、交錯し、やがて妖怪人間誕生の秘密へと繋がる。
博史池畠