私宅監置という歴史の闇を明るみに出すドキュメンタリー映画。沖縄に拠点をおき、この問題を追いかけ続けてきたフリーTVディレクター・原義和が初監督する渾身の一作。私宅監置、それは1900年制定の精神病者監護法に基づき、精神障がい者を小屋などに隔離した、かつての制度。1950年に日本本土では禁止になったこの制度は、沖縄では「日本復帰」した1972年まで残った。隔離の犠牲者は人生を奪われ、尊厳を深く傷つけられたまま、「家族の恥」「地域の恥」、ひいては「日本の恥」として闇に葬られ、公的な調査や検証は行われていない。原は、1964年に東京から沖縄へ派遣された精神科医、岡庭武さんが記録した写真と当時のメモを頼りに、犠牲者の消息をたどっていく。
原義和