ヤクザ・松浦楯夫は、組の資金源三億円を強奪した弟分・矢崎文治を、組の掟により射殺。文治の妹・沙織は、その衝撃と組織の罠にはまり麻薬漬けとなった。事件六年後、沙織は精神病院にいた。出所した楯夫は、記憶喪失の沙織を嘘の“美しい過去”で励ますが、そんな二人の前に、かつての記憶を呼び覚ます事件が…。また、彼らの歯車が少しずつ狂いだした――。
工藤栄一