1984 年、ニュージーランド、イースト・コーストの片田舎で“スリラー”が子供たちの人生を変えていた。アカデミー賞ノミネートを果たした自身の短編映画「Two Cars, One Night(原題)」から着想を得てタイカ・ワイティティ監督が制作した『ボーイ』はヒーロー、魔法、そしてマイケル・ジャクソンが登場するコミカルで心温まる成長物語だ。ボーイはマイケル・ジャクソンが大好きな夢見る少年。ロッキー、いとこたち、そ して祖母と一緒に暮らしている。ボーイはもう1人のヒーローである父親のアラメインについて、よく空想をする。彼の想像の世界では、父親は深海潜水士であり、戦争の英雄であり、マイケル・ジャクソンの友達でもある(しかもマイケルのように踊ることもできる)。しかし実際のアラメインは、強盗で刑務所に入っていた無能なギャング気取りの男だった。アラメインが7 年ぶりに家に帰ってくると、ボーイは空想していた父親の現 実の姿と向き合うことになる。この再会によりボーイは自分の可能性を探し、待ち焦がれたヒーローなしで生きていく術を学んでいくのだった。
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