13歳のときに友達の犯行で妹を亡くした新聞記者・月野木薫。結婚式を控え、友人・岡田の子どもたちの世話を手伝い、幸せな日々へ期待を抱く一方、亡き妹に対する後ろめたい気持ちが募る。そんなある日、中学校の屋上から女子生徒が転落死する事件が発生。薫が突き止めた加害少女は、岡田の娘・茜だった。兄のように慕われていた香川晃は堪えきれず嗚咽する。彼もまた、薫の妹を殺害した過去を持つ元加害少年だった。運命に引き戻された薫と晃は、少年期とは逆の立場でその悲しみを知る。そして止まった時計の針を動かすように、二人は再会することに…。
島田伊智郎
島田伊智郎