越後・丹⽣⼭藩の鮭役⼈の⼦、間垣⼩四郎は、お⼈よし過ぎて商売上⼿とは⾔えないが、皆に愛され平和に暮らしていた。そんなある⽇、⼤勢の役⼈たちが家にやってくる。驚く⼩四郎に⽗・作兵衛が衝撃の事実を告げる。なんと彼は、<松平>⼩四郎――徳川家康の⾎を引く、丹⽣⼭藩主の跡継ぎだったのだ。さらに、実の⽗・⼀狐斎は⼩四郎に国を任せ、さっさと隠居。庶⺠から殿様へと突然、幸運を⼿にしたかのように⾒えた…のもつかの間、実は丹⽣⼭藩は25万両(およそ100億円)もの借⾦を抱えるワケあり藩。困り果てる⼩四郎に、⼀狐斎は「⼤名倒産」を命じる。返済⽇に藩の倒産を宣⾔し、借⾦を踏み倒せば皆助かるというのだ。実は⼀狐斎は、息⼦に全ての責任を押し付け、切腹させるつもりだった。⼩四郎に残された道は、100億返済か切腹のみ! ⼈⽣最⼤のトラブルに巻き込まれた若きプリンス、⼀体どうする――⁉
前田哲