舞台は長江デルタ地域。上海を中心に、大河・長江の下流一帯に広がり、中国の高度経済成長を支えた地域で、経済規模はここだけで日本の GDP をはるかに上回るというから、恐ろしい。しかし、映画が描くのは、⻑江デルタの大企業でも大工場でもない。織⾥という町の⼩さな⾐料品⼯場で働く 10 代後半から 20 代の若い世代の労働と⽇常だ。世界は注⽬しないが、彼らのような若者も実は⻑江デルタの経済を⽀えているのだ。⾃分がやるべき仕事は「世界から⾒えない⼈たちの⽣を記録すること」と語るワン・ビン監督の真⾻頂のドキュメンタリー。
ワン・ビン