石村嘉成は、父 和徳、母 有希子が不妊治療の末に授かった男の子。はじめは「マンマ ワンワン」と言葉を話し始めたが、次第にあやしても笑わず、目を合わせられず、言葉を発することもなくなった。そして、嘉成が2歳のときに診断されたのは自閉症。どう育てればよいか悩みが深まるばかりの有希子は施設を調べては訪れ、そこで出会ったのが、「自閉症は脳の機能障がい。脳の健全な箇所を最大限に発達させ、将来自立した人生を送れるように、“知識ある愛”をもって、叱るのではなく譲らない教育」を理念に掲げる孤高の療育家が営む施設だった。家族や周囲の支援のもと自立に向けた厳しい療育に向き合い、可能性を最大限に発達させられたことで、躍動感に満ちたカラフルな生き物たちを描く画家として才能を開花させた実話を、ドキュメンタリーとドラマを融合させて描く。
三好聡浩
平松咲季