高層ビルが空を塞ぎ、どこを歩いても効率性と経済性が最優先される現代の都市開発。その大きな波は、迷路のような路地裏にあるシャンソンBAR「マヤン」(猫)にも押し寄せる。本作は、地上げやコロナ禍という理不尽な時代の嵐に踏みにじられながらも、泥臭い意地と誇りを胸に、自らの居場所(コミューン)を守るため「歌」を武器に抵抗する生活者たちの姿を描く、祈りと感謝の物語。
倉谷宣緒