本作は日本統治下の台湾で生まれ、日本兵として戦地へ送られた台湾人たちの戦後を追う作品である。終戦後、彼らの一部はソ連軍に捕らえられ、極寒のシベリア抑留を経験した。しかし、その過酷な体験は、戦後の日台を取り巻く複雑な国際情勢の狭間で、長く沈黙を強いられてきました。本作は戦後の歴史の中で “不在”とされた台湾出身元兵士らの存在、語られなかった記憶に光をあて、時代の荒波に翻弄されてきた彼らとその家族の思いや、台湾の世代ごとに異なるアイデンティティなど心の機微を丁寧に描き出す。
コー・ビンスン