優秀でまじめなエリート銀行員、結城美智雄(玉木宏)の裏の顔は次々と人を殺める冷酷な殺人鬼。殺人の事実を知った結城の幼なじみであり、神父の賀来裕太郎(山田孝之)は、結城の犯行を阻止し、救済しようと苦悩する。そんな中、結城は化学兵器「MW」を手にして遂には世界を滅ぼそうと企むのだった…。果たして、賀来は結城を止めることが出来るのか? そして2人の過去に秘められた悲しき運命とは? 悪を体現する殺人鬼を通して、現代社会の病理を浮き彫りにした、手塚治虫原作の同名漫画の映画化。
岩本仁志
16年前に、ある島で起きた恐ろしい事件がひとりの“悪魔”を生み出した。事件によって地獄を背負うことになった男が犯罪に手を染めながら正義とは何かを問いただす——。生誕80周年を迎える手塚治虫の禁断の作品を映画化した『MW -ムウ-』が7月4日(土)に公開を迎え、山田孝之、山下リオ、石田ゆり子、石橋凌、そして岩本仁志監督による舞台挨拶が行われた。
役者の多くは自分に定着しているイメージを壊したがるものだ。ドラマ「のだめカンタービレ」の好青年・千秋真一役で人気を不動のものにし、その後も多くのドラマや映画に出演、俳優として歌手として八面六臂の活躍を見せる玉木宏もそのひとり。だが、一度ついてしまった固定イメージを払拭してくれる役に巡り逢う率はそう高くはない。しかし、彼は手塚治虫原作のコミックの中で“禁断の傑作”と言われている「MW -ムウ-」の映画化でそれを手にした。演じるのは次々と凶悪犯罪に手を染めていくモンスター・結城美智雄──初の悪役だ。
日本が世界に誇る漫画文化の歴史において、“神様”と形容される漫画家・手塚治虫の数々の名作の中でも“問題作”としてひときわ異彩を放つ「MW(ムウ)」がこのたび映画化され、7月に公開を迎える。4月28日(火)に本作の完成披露試写会が開催され、主演の玉木宏、山田孝之、石橋凌、山本裕典、山下リオが舞台挨拶に登壇した。
どんな俳優かと説明するのが難しい男である。あえて言うなら、周囲からのそんなカテゴライズを笑ってサラリと受け流し、そして“裏切り続ける男”だろうか——。感動のベストセラーの主人公役で多くの女性を涙させたかと思えば、男も惚れるようなワルを堂々と演じる山田孝之。一体どのように出演する作品を選んでいるのか? 「『クローズ ZERO II』の芹沢を見て『かっこいい』と思った人が1週間後にこの映画を観て、『かっこ悪い! 気持ち悪い!』と思ってもらえたらいいですね(笑)」——。そんな言葉で最新主演作『鴨川ホルモー』で自らが演じた安倍という役柄を語る。そして、「常にぶち壊し続けたい」とも。万城目学の同名人気小説を映画化した本作で、これまでにないコミカルな役柄でさらなる境地を開拓した山田孝之に迫った。
世界に誇る日本のマンガ文化の第一人者、手塚治虫。数々の夢や希望を描いた彼の作品の中で、ひときわ異彩を放つ衝撃作「MW(ムウ)」(小学館、講談社よりそれぞれ刊行)が、このたび手塚治虫生誕80周年企画として映画化されることが決定した。注目の主役に抜擢されたのは、TVドラマに映画に話題作への出演が続く、玉木宏。世界を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼として初の悪役に挑戦する!