「今後も良質な作品を作っていきたい」中谷美紀が語る『自虐の詩』

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『自虐の詩』中谷美紀 photo:Shin Suzuki
  • 『自虐の詩』中谷美紀 photo:Shin Suzuki
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「週刊宝石」(光文社)で連載された業田良家の4コマ漫画「自虐の詩」。日本一、もしかしたら世界一不幸な女性・幸江と無口な夫・イサオとの夫婦生活を描き、必殺のオチはイサオのちゃぶ台返しという独特の世界を持つ本作が、「ケイゾク」、『大帝の剣』の堤幸彦監督により映画化。主人公の幸江を演じた中谷美紀に話を聞いた。

「包容力や受容する柔らかさや母性を備えている女性」と幸江を評する中谷さん。「私にはないものなので、魅力的な女性に映りました。確かに私も子供を目の前にすれば、かわいいと思いますし、子供を育てるということにも魅力は感じますけど、実際に子供が欲しいかと言われれば、私は自分の面倒を見るのに精一杯なんです。とても面倒なんて見られないと思うんです。経験がないからなのかも知れませんが、幸江というのは人のために尽くして、そこに喜びを見出すことができる素晴らしい女性だなと思いました」と、その印象を語る。

とはいえ、ちょっと微妙な位置にほくろがあったり、髪の色も中途半端だったりと、とてもじゃないが、外見は魅力的とは言えないが…。
「あくまでも役柄ですのでそういう意味では特に抵抗はなく、むしろ鏡の前でみすぼらしい姿を毎朝確認することで、“いま私は幸江なんです”ということを自分に教え込むというか、洗脳するという作業をしてました。そばかすと、ファンデーションを塗らずにスッピンにすること、それからこの髪の色も監督に提案させていただいたんです」。

TVドラマ「ケイゾク」、そして『ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer』以来の堤監督とのタッグとなる本作。
「本当に統率力も、映像を作る力もあり、人を見る、人を動かす力もあって…演技力の面で。素晴らしい監督だと思います。今回、仮編集を現場でなさって音楽もつけて“こういうものになりますよ”というある程度の予想図を提示するというやり方をなさっていたんです。人を説得、納得させるための手段として、みんなが付いていきやすくなったり、どのように改善すべきかということをみんなで考えるチャンスになったんじゃないかと思います」と監督に全幅の信頼を置いていた。

「自虐の詩」と言えば、イサオのちゃぶ台返しが定番。本編でも、その姿は遺憾なく発揮されていたが、撮影はかなり大変だったそうだ。
「あれはものすごいハイスピードカメラで撮っているんです。映画は1秒に24コマ、テレビでは30コマなのを何倍にもして。そうすると光量がないと撮れないので、ものすごく明るくして、本当に汗がだらだらと出る中で撮りました」。いつもいつもちゃぶ台をひっくり返されるばかりではない幸江。ちょっとしたかわいらしい報復シーンもあるので、そちらにも注目していただきたい。

そのイサオ役の阿部さんも、いわば堤組。しかし共演は初めてだ。
「ものすごく楽でした。私、阿部さんと『おはようございます』と『おつかれさまでした』くらいしか会話をしたことがないんですよ」。夫婦役であるにもかかわらず不思議な距離感だ。
「たとえば阿部さんが普段どんなお洋服をお召しだろうが、どんな食事をしていようが、どこで遊んでいようが寝ていようが、朝、阿部さんが現場に現れてパンチパーマをかぶってくだされば、それがイサオさんであるというのが本当に楽なスタンスだったんです。すごくチャーミングでしょ? あの長髪のかつらよりパンチパーマのほうがよくお似合いでかわいらしかったです」とニッコリ微笑む。健気な幸江も、こんな風にイサオのことを思っていたに違いない。

映画に対する自分の情熱とオファーが合えば「良質な作品を作っていきたい」と言う中谷さん。きっとまた、素晴らしい作品に出演している中谷さんに出会えるだろう。

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