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「最初は歌える確信がなかった」ジョニー&バートンが語る『スウィーニー・トッド』

先日の来日で、改めてその人気の高さを実感させたジョニー・デップ。長いキャリアの中でティム・バートン監督とのコラボレーションは今回が6度目となる『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』。常に新しいことにチャレンジし続けているこのゴールデン・コンビが本作で挑戦したのは“ミュージカル”だ。新しい分野に足を踏み入れたジョニーとバートン監督に話を聞いた。

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来日記者会見時のジョニー
来日記者会見時のジョニー
  • 来日記者会見時のジョニー
  • 来日直後のジョニー
  • 来日記者会見に出席したティム・バートン監督
先日の来日で、改めてその人気の高さを実感させたジョニー・デップ。長いキャリアの中でティム・バートン監督とのコラボレーションは今回が6度目となる『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』。常に新しいことにチャレンジし続けているこのゴールデン・コンビが本作で挑戦したのは“ミュージカル”だ。新しい分野に足を踏み入れたジョニーとバートン監督に話を聞いた。

一番最初に、本作についてバートン監督と話し合ったときの状況について、2人はこう話してくれた。
ジョニー「まずは、とにかくできるかどうか見極めようとした。というのも、僕はバンドをやってギターを弾いたりしてたので音痴じゃないことは分かってたけど、実際に歌えるかどうか確信がなかった。だから、最初に話し合ったときに、『やってみるよ。できるかどうか確認させてくれ。あとで何か送るから、それを聴いてみて。そのあとで具体的に話せばいい』と彼に言ったんだ。それで、『My Friends』を吹き込んで彼に送ったんだ」。

バートン「それがすごくよかった。それで誰も周りにいないときにこっそりとスタジオに行ったんだ。これはミュージカルの中でも難しいミュージカルなんだ。僕はミュージカルの知識が豊富なわけじゃないけど、これがとても難しいということは分かっていたし、そこが気に入ってる点でもある。ジョニーを含めたキャストが歌手ではないという事実もね。歌手の女優がひとりいるけれど、ほかの誰もこれまで歌ったことがなかったんだよ。そのおかげで、面白い雰囲気になってると思うよ。歌手じゃない役者が出てるミュージカルを観たことがあるが、どれもひどかった。でも、この作品ではみんな素晴らしい。すごく感心したよ」。

ジョニー「みんなうまかったよね。ヘレナは信じられないくらいだったし、サシャも素晴らしかった。彼はほんとに歌えるよ」。

バートン「アラン・リックマンもしかり。そして何が素晴らしいって、この作品で歌っているのはすべて俳優であり、そのキャラクターと声が表現されているということなんだ。ジョニーとアランのデュエットが聴けるなんてすごいことだよね。とにかく超現実的。だって、そんなこと誰が思いつく? ジョニーの声、アランの声だと分かるし、そこが素晴らしいんだ。僕が望んだとおりだよ」。

本作の撮影では、撮影現場で再生できるように先に音楽を録音したそうだ。
バートン「ああ。それがとても楽しくてね。セットで音楽を流しながらサイレント映画を撮っているような感じだった。そんな中で俳優たちの演技を観るのはワクワクさせられたし、昔の映画みたいな感じだったね。それは俳優の動きに影響を及ぼすんだ。それに実際、スタッフにも役に立った。なんていうか、全てを刺激するし、実際、とてもやりやすかった。『それじゃ縛りが多かっただろうね』と言う人もいるかもしれないけど、実際は驚くほど自由で、観ていて楽しかった。音楽を聴きながらだと、とにかく動きが違うからだ。いまでは、ミュージカル映画でなくてもそうしようかな、なんて思うくらいだよ。それくらい観ていて面白かったんだ」。

しかし、実際に撮影している間も声を出してちゃんと歌うのがジョニー流だ。
ジョニー「残念ながらそうなんだ(笑)。ほかの人たちはどうしてるのかは知らない。こんなことやったのは初めてだったからね。でも、ただ口パクをするだけだと、カメラを通してそれが伝わるような気がしたし、ある意味でニセモノってことだろう? 自分が全力を尽くしてない気がしたんだ。時々、恐ろしく恥ずかしくなったし、至近距離で大声で歌われてカメラマン助手たちは気の毒だったね。意地悪してるみたいで自分がすごくイヤな奴に思えたけど(笑)、仕方なかったんだ」。

バートン「でもそれはとても大切だよ。そこがこの作品の素晴らしさだ。全員がそこを理解したことがとても重要だった。ほかのキャストも同じようにやってたよ。彼らのノドが動き、胸が波打つのが見えるはずで、実際にキャラクターからあふれ出るものを描いているんだから、そこがとても重要なんだ。それがこのミュージカルそのものなんだよ。この作品では群衆が歌うところなど、ブロードウェイ的な部分はかなり排除した。キャラクターとその中身が大切だからだ。彼らはみな、どこか抑圧されていて、それが観客に伝わることが重要なんだ。スウィーニーのノドが動くのが見えるから、感情が彼からあふれていることが伝わるんだ」。

ジョニーが“スウィーニー・トッド”という抑圧された感情で支配されている人物の鬱々としたネガティブな感情をいかに“歌”という形で爆発させているのか、そして、バートン監督はそんなジョニーを“ミュージカル”というジャンルの中でいかに演出していったか、その目と耳でじっくりと確かめてほしい。
《シネマカフェ編集部》

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