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身体の自由がきかなくても、愛と希望は満ちている『潜水服は蝶の夢を見る』

ファッション誌「ELLE」の編集長として活躍する華やかな日々から一転、脳梗塞で左眼の瞼以外の自由がきかなくなってしまった男、ジャン=ドミニク・ボビー。突然の悲劇に見舞われた彼が、瞬きの合図でアルファベットを綴るというコミュニケーション方法を用いて自伝小説を執筆。その世界的ベストセラーとなった著書を基に、愛と感動に満ちあふれた彼の生きざまを映画化したのが本作だ。

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『潜水服は蝶の夢を見る』 (C)- Pathe Renn Production-France 3
『潜水服は蝶の夢を見る』 (C)- Pathe Renn Production-France 3
  • 『潜水服は蝶の夢を見る』 (C)- Pathe Renn Production-France 3
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ファッション誌「ELLE」の編集長として活躍する華やかな日々から一転、脳梗塞で左眼の瞼以外の自由がきかなくなってしまった男、ジャン=ドミニク・ボビー。突然の悲劇に見舞われた彼が、瞬きの合図でアルファベットを綴るというコミュニケーション方法を用いて自伝小説を執筆。その世界的ベストセラーとなった著書を基に、愛と感動に満ちあふれた彼の生きざまを映画化したのが本作だ。

ある病院の一室で、昏睡状態から目覚めたジャン=ドミニク・ボビー。脳梗塞で倒れ、運び込まれたことを徐々に思い出し始めた彼は、意識がしっかりしているにもかかわらず、身体を動かすことはおろか、言葉を発することさえできない状態であることに気づく。唯一動かせるのは、左眼の瞼だけ。美しい言語療法士のアンリエットは、そんな彼に瞬きでコミュニケーションを取る方法を教えるが…。

『夜になるまえに』の名匠ジュリアン・シュナーベルが監督を務め、アカデミー賞監督賞にノミネート。ジャン=ドミニク・ボビーの魂の闘いを、ユーモアを交えながら軽やかに綴っている。その軽やかさは、主人公に扮したマチュー・アマルリックの好演によるところも大きい。世を拗ねた態度を徐々に変化させ、やがて確かな希望を身につけていくさまを、時に笑わせ、時に心を揺さぶるモノローグと共に魅力的に演じ上げている。さらには、主人公の目線をとらえた、ヤヌス・カミンスキーによる独創的なカメラワークもポイント。

切なすぎるラストに涙をこらえることはできないが、同時に、まばゆいばかりの愛と希望に触れたと実感できる。

《渡邉ひかる》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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