続けて16時半から、同じ「ある視点」部門で、これまたとても楽しみにしていたアラン・ギロディー監督の新作『Stranger by the lake』(原題)。アラン・ギロディーは、2009年の前作『キング・オブ・エスケープ』の個性があまりに突出していたので、迷わず同年の東京国際映画祭にも招待したのだけれど、そこで見て呆れた(!)人もいるのではないかな。
『キング・オブ・エスケープ』も同性愛を軸にしたセクシャリティーが大きなテーマになっていたけれど、今作『Stranger by the lake』はさらに過激化が進み、もうゲイ全開というか、無理やりジャンル分けをするならば、「ハードゲイ・ブラックコメディー・スリラー」とでも呼ぶべき怪作な快作となった!
そういえば、『Stranger by the lake』(原題)の上映時、僕の席から通路をはさんだ右隣(つまりほんの近く)にミッシェル・ピコリが座っていた!やはり、さすがカンヌ。
時間が空いてしまったので、ホテルに戻って、少しパソコン仕事。
21時にホテルを出て、「監督週間」の会場に向かい、22時からの『Ugly』(原題)というインド映画へ。監督は『Gangs of Wasseypur』(原題)が話題となったAnurag Kashyapで、今作は誘拐事件を発端とするサスペンスドラマ。ボリウッド系ではないのだけれど、まあくどいし、脚本もいささか雑、キャラクター造形もイマイチ、ということで、僕は疲れ果ててしまった…。
このドキュメンタリー映画に続き、22時からは、ホドロフスキーの20数年振りの監督作である『The dance of reality』(原題)の上映。上映前になんとニコラス・ウィンディング・レフン監督が、「敬愛するホドロフスキー監督をお呼びします」とMC役で登壇! 間違いなく、今年のカンヌのハイライトのひとつとなった瞬間でしょう。