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ホロコーストを生き延びた少年が人間の悪意に立ち向かう…『異端の鳥』壮絶な予告編

『異端の鳥』の新たな公開日が10月9日(金)に決定。主人公の幼い少年を容赦なく襲う人間が持つ悪意を捉えた、モノクロの日本版予告編が解禁された。

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『異端の鳥』 COPYRIGHT@2019 ALL RIGHTS RESERVED SILVER SCREEN CESKA TELEVIZE EDUARD & MILADA KUCERA DIRECTORY FILMS ROZHLAS A TELEVIZIA SLOVENSKA CERTICON GROUP INNOGY PUBRES RICHARD KAUCKY
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昨年のヴェネチア国際映画祭で『ジョーカー』以上の話題を集めた問題作『異端の鳥』。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で公開延期となっていたが、新たに公開日が10月9日(金)に決定。主人公の幼い少年を容赦なく襲う人間が持つ悪意を捉えた、モノクロの日本版予告編が解禁された。

>>『異端の鳥』あらすじ&キャストはこちらから

第二次世界大戦中、ナチスのホロコーストから逃れるために、たった1人で田舎に疎開した少年が差別と迫害に抗いながら強く生き抜く姿と、“異端”である少年を徹底的に攻撃する“普通の人々”を赤裸々に描いた本作は、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で上映されると、少年の置かれた過酷な状況が賛否を呼び、途中退場者が続出。しかし、同時に10分間のスタンディングオベーションを受けユニセフ賞を受賞し、同映画祭屈指の話題作となった。

その後も多くの批評家から絶賛を浴び、本年度アカデミー賞国際長編映画賞のチェコ代表に選出、本年度のチェコ・アカデミー賞(チェコ・ライオン)では最多の8部門を受賞した。

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予告編では、主人公の少年が大切そうにフェレットを抱え、息を切らしながら懸命に何者かから逃げようとする映画のオープニングシーンで幕を開ける。そして、次の瞬間、体当たりしてきたのは、彼と背丈の変わらない幼い少年だった――。家族とはぐれた少年は、瞳や髪、肌の色が違うために行く先々で“よそ者” “異端”扱いされ、差別され、「この子は悪魔の使いだ。我らに死を招く」という言葉まで向けられる。

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多くの人命が虫けらのように扱われ、自己正義や嫉妬といった大義名分のもと人間が持つ凄まじい残虐性があぶりだされていく、戦争という狂気のうねり。少年は「家に帰る」という強い願いを胸に人間の悪意にたった1人で立ち向かい、圧倒されるような大自然の中をさまよいながら、逞しく生き抜いていく。


チェコ出身のヴァーツラフ・マルホウル監督は、本作製作にあたって「『異端の鳥』は悪についての探求、そして善と共感、愛についての物語です。本作の中に善と愛を発見する時、我々はその本質に感謝し、より多く求めます。これは人間が善を求めているという映画のポジティブなメッセージです」と語る。

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「主人公の少年が“家に帰りたい”と泣いたとき、観客の皆さんも愛のある安全な場所に、家に帰りたいと思うでしょう。そして、私は『異端の鳥』が提起する質問に悩まされています。“人間は罰を受けることがなければ、悪に向かう”と言う心理学者は正しいのでしょうか? はたして悪は人生の闘いの中で、避けられないものなのでしょうか? 私はまだこれらの答えを探し続けています。そして、特に今の時代における答えを知りたいと思っています」と本作に込めた思いを明かした。

さらに、本作では『コーリャ 愛のプラハ』などオスカー受賞作品も手掛けた、チェコ映画界きっての巨匠ウラジミール・スムットニーが撮影監督を担当。全編モノクローム35mmフィルムで撮影された映像は、残酷でありながらも自然にあふれた田舎の雄大な景観と見事に調和し、一コマ一コマがまるで名画のように美しく、非常に強い余韻を残す映像となっている。映像のラストで描かれる、その小さな手から鳥が放たれる場面の息をのむような美しさも印象的。

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原作は、ポーランドの作家イェジー・コシンスキが1965年に発表した「ペインティッド・バード」。ポーランドでは発禁書となり、作家自身も後に謎の自殺を遂げた傑作を、マルホウル監督が実に11年もの歳月をかけて執念ともいえる映像化を果たした。

『異端の鳥』は10月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》

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