【MOVIEブログ】2020東京国際映画祭 Day5

11月4日、水曜日。4時就寝、8時半起床。だけど目覚ましアラームが鳴る前に目が覚める。映画祭はいつもそうだ。普段の日々でもこうならいいのに。外に出ると、超快晴! 少しピリっとした空気が気持ちよ過ぎる。これは今秋一番の好天では?

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『初仕事』小山駿助監督(c)2020 TIFF
  • 『初仕事』小山駿助監督(c)2020 TIFF
  • 『バイク泥棒』(c)2020 TIFF
  • 『最後の入浴』(c)2020 TIFF
<11月4日>
11月4日、水曜日。4時就寝、8時半起床。だけど目覚ましアラームが鳴る前に目が覚める。映画祭はいつもそうだ。普段の日々でもこうならいいのに。外に出ると、超快晴! 少しピリっとした空気が気持ちよ過ぎる。これは今秋一番の好天では?

気分上々で職場へ。9時半からパソコン作業。そして復習の作品を一部見る。

11時から、内部でミーティング。今年始めた「TIFFオンラインサロン」が昨日までに数回終わり、改善点がないかどうか、スタッフどうしでチェックし合う。僕が本番ギリギリにスタジオに入るので、同僚スタッフをやきもきさせてしまうのが心苦しくごめんなさい。ただ、番組の内容自体は作品の中身に踏み込めて、かなり充実したものになっていると思うのだけど、どうだろう?

昼は少しまとまった時間がとれたので、夜のトークサロンの台本作りにせっせと励む。そして要再見の作品を見続ける。横目で、大統領選の投票推移を見る。

お昼のお弁当は、12時15分に「オムライス デミグラスソース」。熱めにチンして、至福。

14時30に劇場に行き、緊張物件! 「Tokyoプレミア2020」出品の『ゾッキ』。上映後Q&Aの司会。キャパが150人以下の小振りのスクリーン1にて、豪華登壇ゲスト! 竹中直人監督、山田孝之監督、齊藤工監督。平日の14時半。今日の観客は超ラッキーだ!

竹中監督のペースに振り回されながらの、楽しいトーク。司会の立場としてはタジタジなのだけど、乗っけてもらうしかない。山田孝之さんは初監督の勢い、斎藤工さんは中堅監督の実績、そして竹中直人監督はベテランの風味という、三者三様のセンスと実力を引っ提げて、それぞれが監督した3つのエピソードをひとつの長編にまとめ上げたのが『ゾッキ』。三人の監督の個性がどこで発揮されているかを見つけながら見るのがとても楽しい作品なのだけど、監督のことなど忘れて観ても(いやむしろそちらの方が)最高。

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いや、なんか、こんなに個性的なスターたちと、普通に並んで司会している自分を客観的に見るとシュールすぎて笑ってしまう。とても緊張したけれど。

16時に、某ラジオの電話取材が1件。

16時半に、17時半開始回のトークサロンの接続テスト。

17時に、「Tokyoプレミア2020」に出品された『初仕事』の上映前舞台挨拶に登壇するみなさまに、挨拶に伺う。上映前の司会が出来ないので、登壇者のみなさんにここでお会いしたいと思った次第。ということで、劇場に赴いてご挨拶する。

17時半に「TIFFトークサロン」、今回は「ワールド・フォーカス」部門の『海辺の彼女たち』の藤元監督と、ヴェトナム在住で来日の叶わなかった3名の主演女優のうち、フィン・トゥエ・アンさんとクイン・ニューさんのおふたりをオンラインでお招きする回。

藤元さんと僕がスタジオ入りし、フィンさんとクインさんがヴェトナムからアクセス。これもトークサロンとしては初のケースなので、段取りに慣れるまで少し時間がかかる。しかし接続は順調で、会話に支障はほとんどない。難しいのは、日本語、英語、ベトナム語の3ヵ国語通訳の段取り。同時通訳機能を諸事情により使用しないことにしたので、ここの時間の節約の仕方が最大の課題だろうか。

英語しか解さないインターナショナルの視聴者がアクセスしているかもしれないので(いて欲しい)、国際イベントとしては、英語通訳はやはり入れたい。今年はまあZoom元年なのでしょうがないとして、今後の技術の進歩と並行して改善を検討していかねば(とはいえ、ITオンチの僕に貢献できることは何もないのが辛い)。

フィンさんとクインさんが『海辺の彼女たち』のオーディションをハノイで受けた時のエピソードからして面白く、監督のコメントを挟んで楽しんでいたら、それだけで30分経ってしまった。慌てて映画の中身に話を移し、日本の北国の寒さの肉体的辛さと、日本におけるアジアの技術訓練生の苦闘を生きる辛さと、それぞれの辛さといかに向き合ったか?という僕の質問に対する答えも長くなってしまった(いい質問だったと思うのだけど、違う尋ね方があったはずだと反省)。しかし答えはとても興味深い。

さらに、自分にとって映画で一番印象に残ったシーンは?の質問への答えが、ふたりとも気持ちがこもっていて素晴らしかった。横に座っている藤元監督も感動している気がした(2月の撮影以来会っていなかったとのこと)。

是非YouTubeのアーカイヴを見てみてほしい! オンライントーク、面白い。

18時20分に終わり、夜のお弁当をダッシュで頂く。「石焼風ビビンバ弁当」。うまし。

19時過ぎに劇場(シネマズ)に行き、『初仕事』の上映後Q&Aの司会へ。登壇者は小山駿助監督(写真)。ちょっと僕は感動しているのだけど、小山監督の面白さ、興味深さは、底知れない。おそらく、1度や2度会っただけでは、絶対に分からない。しかし、この人、とてつもないかもしれない、という予感を抱かせる幅みたいなものを発散している。絶対に面白い人だと確認させる。それはユーモア溢れるとか、キレ味抜群のコメントを連発とか、才気溢れるアーティスト気質であるとか、そういうものとは少し違う(そういう要素も少しずつはある)。

それよりも、なんというか、思索的な知の人である雰囲気をまとい、気難しい人かもしれないと相手を一瞬心配させつつ、いや、少しずつこの人を理解したら刺激的なはずだと思わせてくれるような意味での、面白い人。ああ、こういう時に上手い例えが浮かぶ才能が欲しい。

そして小山監督本人の面白さが、映画の面白さと直結していることが確信される。たぶん、『初仕事』の面白さを文字にするのはブログの殴り書きでは無理で、総合的な考察が必要になり、たぶんにそれは文学的な批評軸が必要となる。8日にもう一度Q&Aがあるので、その時にもう少し具体的に書ければ。

とにかく、8日(日)の夜の『初仕事』を見に来た人に、この映画がどうして面白いのか、僕は徹底的に話したいのだ。この面白さをどう言葉にすればいいのか。何気ない宣伝でなく、本気で宣伝したくて、本気で映画好きの人の意見が聞きたい。例えば毎年映画祭会場で会っては感想を交換し合う「とと」さんの意見が聞きたい。ちょっと本気でみんなに見て欲しい。

『バイク泥棒』(c)2020 TIFF『バイク泥棒』マット・チェンバース監督
19時50分に終了し、仮設スタジオに戻り、「TIFFトークサロン」。今回は『バイク泥棒』のマット・チェンバース監督。なんだか今年はハンサム青年が多いなあ。マット監督、絵に描いたような好青年のブリット監督。

アクセスした視聴者の方々から、質問がとてもたくさん入ってくる。何故ルーマニア移民を取り上げたのか、アレック・セクレアヌ起用はどういう経緯か、『自転車泥棒』は意識したか、音楽がカッコいいので音楽のコンセプトを教えてほしいとか、夜のロンドンを撮る工夫はどういうものか、とか、脚本を書いたのはBrexitの前か後か、とか、とにかくこの映画を見た人が知りたいことがほぼ全て含まれている充実のトークになったのではないか?

オンラインQ&A「TIFFトークサロン」、かなりいけてきたのではないか?

21時くらいに終わって、続いて21時15分からも「TIFFトークサロン」。今回のお相手は『最後の入浴』のデイヴィッド・ボヌヴィル監督。ポルトガルはポルトからのアクセス。

デイヴィッドも丁寧に丁寧に、質問に答えてくれる。伯母と甥との関係を構想した背景、尼さんの心理をいかにして探索したか、宗教的隠喩について、倒錯的なセクシャリティについて、それを的確に演じた役者について、そして風光明媚なロケーションについて、さらにはポルトガル文化の一部としてのレモンの存在についてなど、話がとても面白い。

『最後の入浴』(c)2020 TIFF『最後の入浴』のデイヴィッド・ボヌヴィル監督
この回は、序盤でちょっと時間をかけてしまったかな。作品の内容で質問はいくらでもあるので、どういう監督が好きで育ったか、という質問などは不要かもしれない…。

とはいえ、マット・チャンバース監督は『ファーゴ』から絶大の影響を受けたと語り、デイヴィッド・ボヌヴィル監督からはマイク・リーとアンドレ・テシネという名前が出てきたし、『アフター・ラヴ』のアリーム・カーン監督からは『コックと泥棒、その妻と愛人』というタイトルが出てくるもんだから、やっぱりやめられないというか、楽し過ぎる。

とにかくじっくりと作品の話が聞けるトークサロンは、まったくもって悪くない。『バイク泥棒』と『最後の入浴』、ともにYouTubeで見られるので是非!

22時15分に終わり、劇場へ。22時40分くらいから「Tokyoプレミア2020」部門に出品の舩橋淳監督新作『ある職場』の上映後Q&A司会。たくさんの役者たちで構築される作品なだけに、登壇に多くの関係者が駆けつけ、以下の通り!

平井早紀さん(俳優/共同脚本)、伊藤恵さん(俳優女優/共同脚本)、山中隆史さん(俳優)、満園雄太(俳優)、羽田真さん(俳優)、田口善央(俳優)、辻井 拓(俳優)、舩橋淳監督、伊達浩太朗プロデューサー。全て俳優の方々には「共同脚本」のクレジットが伴っており、彼らの発する言葉が脚本を作り上げていったことが分かる。

ハラスメントを主題にした作品であり、監督は堂々と主張を展開、客席からの意見にも現場のシミュレーションを再現する形で答え、濃密なトークが40分。

23時40分に事務局に戻り、まだ初顔合わせを済ませていない海外作品の監督とオンラインでミーティング。歓迎のご挨拶をしつつ、数日後の「TIFFスタジオ」について簡単に説明する。超ナイスな方だったので、楽しみだ。

夜のお弁当をもうひとつ頂いて、「サムギョプサル弁当」。今日は韓国弁当デーでカムサハムニダ。マシソヨ!

それからブログを書いて、今日は2時に上がれそう!
《矢田部吉彦》

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