今年、生誕100年となる写真家ヘルムート・ニュートンに迫るドキュメンタリー映画『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』。公開に先駆け、名女優シャーロット・ランプリングがニュートンによって撮られた自身のヌード写真について回顧する本編映像がシネマカフェに到着した。>>『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』あらすじ&キャストはこちらから長年にわたって一流ファッション誌で女性を撮り続けたファッション・フォトグラファーの世界的巨匠ヘルムート・ニュートン。2004年にロサンゼルスで自動車事故により不慮の死を遂げた後も、長く人々の記憶に残り続けている写真家のひとり。ヘルムート・ニュートンのポートレートそしてシャーロット・ランプリングといえば、脇役で映画デビューしてから数年後、ルキノ・ヴィスコンティ監督に見初められ『地獄に堕ちた勇者ども』(69)に出演、その後、リリアーナ・カヴァーニ監督作の『愛の嵐』(73)で脚光を浴び、そのスキャンダラスな役柄から大センセーションを巻き起こした。撮影当時は20代半ばを過ぎたころで、自身のイメージを探っていた時期だったという。フランス・アルルのノールピニュ・ホテルで行われた撮影では、ランプリングもニュートンもお互いにヌード撮影は初だったという。「私はどこか反抗的だったと思う。近づかないで、干渉しないで、という態度をとっていた」というランプリングだが、撮影が始まるとニュートンの作り上げたイメージのなかで、新しい自分のイメージを作り上げる自由と楽しさに気づいたという。そのときのヌード写真は、いまふり返っても「私の写真の最高傑作」だと言い切る。映画では、ランプリングのほかに、大女優と名監督を父母にもつデヴィッド・リンチ作品でも有名なイザベラ・ロッセリーニや、英国貴族の生まれで歌手でもあるマリアンヌ・フェイスフル、グレイス・ジョーンズ、ハンナ・シグラといった女優たちが登場し、ニュートンとの時間をふり返る。マリアンヌ・フェイスフル自由で自立した女性たちが毅然とした態度で語る姿からは、ニュートンの人となりが浮かび上がると同時に、いまは亡きニュートンが彼女たちの何に惹かれて被写体としていたのかも伝わってくるようだ。『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』は12月11日(金)よりBunkamura ル・シネマ、新宿ピカデリーほか全国にて順次公開。