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『ドリーム』『RBG 最強の85才』から『キャプテン・マーベル』まで…立ち上がる女性たちの映画7選

「国際女性デー」に、“わきまえず”に声を上げ続けた女性たちとシスターフッド(女性の連帯)映画7作品をピックアップ

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Netflix映画『モキシー ~私たちのムーブメント~』配信中
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  • 『ドリーム』 (C)2016Twentieth Century Fox
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  • 『ドリーム』 (C)2016Twentieth Century Fox
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  • 『未来を花束にして』(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.
  • 『未来を花束にして』-(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.
3月8日は「国際女性デー」。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森前会長の女性蔑視発言もさることながら、“選択的”夫婦別姓もなかなか進まず、「世界経済フォーラム(WEF)」が発表した「ジェンダー・ギャップ指数」(2019年)では153か国中121位と前年の110位から後退している日本。

そんないまだからこそ、“わきまえず”に声を上げ続けた女性たちとシスターフッド(女性の連帯)映画に注目。実際に歴史を変えてきた先人たちや、その行動で勇気を与えてくれるアメコミの女性ヒーロー、新世代の学生たちなどが主役の7作品をピックアップした。


歴史を変えた女性たち


『RBG 最強の85才』若者のアイコンになった最高裁判事


『RBG 最強の85才』 (C)Cable News Network. All rights reserved.
1993年、当時のビル・クリントン大統領によって史上2人目となる女性の最高裁判事に任命され、女性やマイノリティの権利のために現役を貫き、2020年9月に87歳で他界したルース・ベイダー・ギンズバーグ(RBG)。その人生を本人や家族、友人たちの証言や実際の裁判の音声などから辿る、女性監督コンビによるドキュメンタリー。

男女差別が存在することの認識すらない法曹界や社会を相手に、1970年代から1つ1つの裁判で“性差別はすべての人の問題”であると証明していったギンズバーグ。近年は保守勢力が強まる中でも、穏やかながら力強く反対意見を述べる姿が「ノートリアス(悪名高き)RBG」として若者たちの支持を集め、アイコンとなった。

映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』の冒頭で、主人公の部屋に写真が飾られていたことを覚えている人もいるだろう。マグカップやTシャツにその顔が描かれ、ブラック・ウィドウやワンダーウーマンとコラージュしたインターネット・ミームが次々投稿されたりもした。

『RBG 最強の85才』(C)Cable News Network. All rights reserved.
そんな本作で印象的なのは、妻の知性を脅威に感じず、料理が苦手な妻の代わりにキッチンに立ち、天職である法の仕事に妻が全力を尽くせるようサポートした夫マーティンにもスポットが当てられていること。彼のジョークに頬を緩ませる素顔のRBGにも迫り、もうこの世にはいない“スーパーヒーロー”をさらに好きにならずにはいられない。

Netflix・U-NEXTほかにて配信中。


『ドリーム』NASAの宇宙計画を支えた黒人女性たち


『ドリーム』 (C)2016Twentieth Century Fox
1960年代初頭、旧ソ連との熾烈な宇宙開発競争で劣勢にあったアメリカが有人宇宙飛行を成功させ、月へと向かうために、陰で“NASAの頭脳”を担った3人の黒人女性キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)を描く。

キャサリンたちこそが宇宙を目指すために必要なコンピューター=計算手。その才能を活かし、努力を惜しまずに仕事に取り組んでいく中で、どんな人種差別と性差別に遭ってきたのか、ファレル・ウィリアムスが織りなす音楽に乗せてあえて軽妙に語られていく。

『ドリーム』 (C)2016Twentieth Century Fox
また、彼女たちは仕事や夢に邁進するだけではなかった。家庭の中で愛されたり、新しい愛に出会ったり、一緒にダンスを踊ったりと人生を謳歌する姿も映し出され、意識が変わっていく男性たちの姿もとらえる。エンドロールの前に、実際の3人の女性たちに重なる“Hidden Figures”の文字には胸が熱くなること必至。原題でもあるこの言葉には、「隠された数字」のほかに「隠された人物」の意味もある。

『ドリーム』 (C)2016Twentieth Century Fox
本作が作品賞にノミネートされた2017年のアカデミー賞でキャストと共に登壇したキャサリン本人は、2020年2月、101歳でこの世を去った。関心を持った方は、より克明に彼女たちの人生と活躍が記された原作ノンフィクション「ドリーム NASAを支えた名もなき計算手たち」も手にとってみてほしい。

Amazon Prime Video・dTVほかにてレンタル配信中。


『未来を花束にして』彼女たちがいたからこそ、“いま”がある


『未来を花束にして』(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.
女性の参政権を求める運動が活発になっていた1912年のイギリス・ロンドン、夫と同じ洗濯工場で働く労働者階級のモードは、同僚の代わりに公聴会で証言をし、WSPU(女性社会政治同盟)を率いるエメリン・パンクハーストの演説を聞く機会を得たことで、セクハラ、パワハラが日常茶飯事の自分やほかの女性たちの置かれた状況に疑問を持ち始める。

パンクハーストのような女性参政権運動の“行動派”は、当時の新聞が揶揄する意味で「参政権(Suffrage)」をもじって「サフラジェット(Suffragette)」と名づけており、原題ともなっている。これから生まれてくる、未来を担う少女たちのために行動を起こした勇気ある女性たちだ。

『未来を花束にして』-(C)Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute 2015. All rights reserved.
従順ではない女性たちは、夫にとっても、雇い主にとっても、政府にとっても“面倒を起こす”反乱分子のようなもの。彼女たちがとった手段は正しくはなかったかもしれない。それでも、何度でも「諦めないで、闘い続けて」というメッセージが受け継がれてきたからこそ、いまの世がある。

主人公モード役は最新作『プロミシング・ヤング・ウーマン』も絶賛されているキャリー・マリガン。カリスマ性に溢れたパンクハーストにはメリル・ストリープ。サフラジェット仲間のイーディス役を演じたヘレナ・ボナム=カーターは、1912年当時の英国首相のひ孫であることから思い入れを持って臨み、同時代が舞台のNetflix映画『エレーナ・ホームズの事件簿』においてもサフラジェットの母親役を演じている。

Hulu・U-NEXTほかにて配信中。


エンタメで勇気をくれる女性たち


『キャプテン・マーベル』ヒーローは何度でも立ち上がる


『キャプテン・マーベル』(C)2021 Marvel
『アベンジャーズ/エンドゲーム』にも登場したマーベル・スタジオ最強ヒーローの1人、キャプテン・マーベルのオリジンをブリー・ラーソン主演で描く。記憶を失い、惑星ハラで兵士となっていたヴァースは、微かな記憶の断片を頼りに地球へ。そこで若かりし頃のニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)と出会い、キャロル・ダンヴァースとして自分自身を取り戻し、本当の敵と対峙していく。

兵士ヴァースとしてはジュード・ロウ演じる上官から、空軍パイロット時代には男性の同僚たちから、幼少期には父親から「感情をコントロールしろ」「出しゃばるな」と言われ続けてきたキャロルが、何度でも立ち上がり、思いのままにそのパワーを解放させていく姿は感動的であり、女性を抑えつけているものは何なのかをも映し出す。

『ルーム』で性暴力のサバイバーである母親を演じてアカデミー賞を受賞したブリーが、“女性ヒーローなら笑顔を見せろ”という声を吹き飛ばすかのような圧倒的パワーで敵をなぎ倒していく様は実に痛快。2022年公開予定の続編には、「ワンダヴィジョン」に登場した大人になったモニカ・ランボー役テヨナ・パリスも参加する。

ディズニープラスにて配信中。


『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』立ち上がり、解放された“鳥たち”


『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』 BIRDS OF PREY TM & (c) DC. Birds of Prey and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn(c)2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
『スーサイド・スクワッド』で世界的人気となったマーゴット・ロビー演じるハーレイ・クインが、ジョーカーと別れ、これまで買った数多くの恨みの代償を払わされることに。そんな彼女が囚われの歌姫をはじめ、手柄を男性に奪われてしまう中年の女性刑事、家族を殺された復讐に燃える暗殺者、家に居場所がなくスリを繰り返す少女と出会い、自由を勝ち取るためチームを組む。

『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』BIRDS OF PREY TM & (c) DC. Birds of Prey and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn(c) 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
“悪カワ”と言われた道化師がボロボロになりながらも恋愛依存に別れを告げ、少女を守るためにこの女性たちと男性社会のゴッサム・シティに強烈なドロップキックをくらわす。無秩序で、ジョークと悪ふざけもたっぷりながら、シスターフッドに支えられた終盤のアクションシーンは大きな見どころで、鳥籠から華麗に解放されたハーレイたちの姿は清々しいほど。

また、ぶっ飛んだ言動ばかりしていても、ブラックマスクことローマン・シオニス(ユアン・マクレガー)を「被害妄想の自己チュー男」と分析するなど、精神科医のスキルをしばしば発動させるところにも注目。

Netflixほかにて配信中。


『ガール・コップス』女性刑事バディが性被害者のために立ち上がる


『ガール・コップス』 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, FILM MOMENTUM ALL RIGHTS RESERVED
かつて女性刑事機動隊として現場の第一線で活躍していたミヨン(ラ・ミラン)は、結婚・出産後は市民の苦情を取り扱う部署に異動に。それなりに平穏な日々を過ごしていたが、義理の妹で熱血刑事のジヘ(イ・ソンギョン)がトラブルを起こして同じ課にやってくる。そんな中、若い女性がアダルト動画サイトで自分の動画が拡散されるかもしれない、と駆け込んできた。“犬猿の仲”のミヨンとジヘは事件を解決するべく手を組むことに!

『ガール・コップス』 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, FILM MOMENTUM ALL RIGHTS RESERVED
クラブでドラッグを飲まされ、動画を撮影され、拡散される…というのは、実際に韓国芸能界・政財界を巻き込み、大きな社会問題となっているバーニング・サン事件を彷彿とさせるとして注目を集めた。

大ヒットした『エクストリーム・ジョブ』のごとく時折笑いを盛り込みながら、アクションシーンもばっちり、女性刑事バディやその支持者たちが力を合わせてきっちり成敗する。現実の出来事をすぐさま脚本に取り入れ、『82年生まれ、キム・ジヨン』でも描かれた女性の働き方についても触れつつ、エンターテインメントに仕上げるのはさすが韓国映画。

『ガール・コップス』 (C)2019 CJ ENM CORPORATION, FILM MOMENTUM ALL RIGHTS RESERVED
「少女時代」スヨンがハッキングが得意な同僚を演じるほか、ハ・ジョンウやソン・ドンイルといったスター俳優から「恋愛体質~30歳になれば大丈夫」『シークレット・ジョブ』アン・ジェホン、「梨泰院クラス」のクリス・ライアンら、韓国ドラマ・映画でお馴染みの顔ぶれがずらり。

Amazon Prime Video・U-NEXTほかにてレンタル配信中。
DVD<廉価版>¥1,143(税抜)発売・販売元:ギャガ


『モキシー ~私たちのムーブメント~』現代の高校生たちが立ち上がる


Netflix映画『モキシー ~私たちのムーブメント~』配信中
なるべく目立たないように学校生活を過ごしていた16歳のヴィヴィアン(ハドリー・ロビンソン)。転校生ルーシー(アリシア・パスクアル・ペーニャ)が「これはおかしいんじゃない?」と訴えた声や、母親が傾倒していた90年代のパンク×フェミニズムのムーブメント“ライオット・ガール”に感化され、匿名で校内の性差別を告発するフライヤー「モキシー」を自主出版。その反響が彼女の想像を超える形で拡がっていくーー。

Netflix映画『モキシー ~私たちのムーブメント~』配信中
部活やグループの垣根を越え、これまで関わりのなかった女子生徒たちが次々に賛同の声を上げて、“革命”を起こしていく。校長先生がアメフト部のエース(パトリック・シュワルツェネッガー!)を擁護し、男性教師が“女子の問題”と片付けようとするなど大人の対応も考えさせられる中、ヴィヴィアンのボーイフレンド、セス(『ブックスマート』ニコ・ヒラガ)の男子像は早くもSNS上で絶賛を浴びている。

Netflix映画『モキシー ~私たちのムーブメント~』配信中
ジェニファー・マチューの小説「Moxie」(原題)をコメディ女優エイミー・ポーラーがメガホンをとって映画化し、母親役でも出演。日本でモデルとして活動し「テラスハウス アロハステート」に出演、イラストレーターとしても活躍するローレン・サイがヴィヴィアンの親友役を好演している。

Netflixにて配信中。
《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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