ノマド生活を送るタイ少数民族を世界初撮影『森のムラブリ』特報解禁

タイの人々から「黄色い葉の精霊」と呼ばれる少数民族を世界で初めて追った映像人類学のドキュメンタリー映画『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』から特報と場面写真が到着。

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バナナの葉と竹で寝屋をつくって野営し、平地民から姿を見られずに森のなかを遊動するムラブリ族。タイの人々から「黄色い葉の精霊」と呼ばれる民族を初めて追った映像人類学のドキュメンタリー映画『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』から特報と場面写真が到着した。

タイ北部ナーン県のフワイヤク村は、300人のムラブリ族が暮らす最大のコミュニティ。男たちはモン族の畑に日雇い労働にでて、女たちは子育てや編み細工の内職をする。無文字社会に生きるムラブリ族には、森のなかで出くわす妖怪や幽霊などのフォークロアも豊富。しかし、言語学者の伊藤雄馬が話を聞いて歩くと、ムラブリ族はラオスに住む別のグループを「人食いだ」と怖れている様子。

伊藤とカメラは国境を超えて、ラオスの密林で昔ながらのノマド生活を送るムラブリを探す。ある村で、ムラブリ族が山奥の野営地から下りてきて、村人と物々交換している現場に出くわす。それは少女ナンノイと少年ルンだった。地元民の助けを得て、密林の奥へとわけ入る。はたしていまも狩猟採集を続けるムラブリ族に会えるのか? 21世紀の森の民が抱える問題とはいったい何なのか――?

本作は、6か国語を自由に話し、文字のないムラブリ語の語彙を収集する言語学者・伊藤雄馬とともに足かけ2年、ムラブリ族を追ったドキュメンタリー。伊藤氏はラオスで狩猟採集を続けるグループへの接触を試み、カメラは世界で初めて、ムラブリ族の謎めいた生活を撮影することに成功。

ムラブリ族は言語学的に3種に分けられることが判明し、お互い伝聞でしか聞いたことのないタイの別のムラブリ族同士が初めて会う機会を創出する。また、いまは村に住んでいるタイのムラブリ族の1人に、以前の森の生活を再現してもらうなど、消滅の危機にある貴重な姿をカメラに収めている。

インドシナ半島の密林におけるサステナブルで、政府からも自由な生き方を送る少数民族。本作の出演・現地コーディネーター・字幕翻訳の言語学者である伊藤氏からもコメントが到着している。

出演・現地コーディネーター・字幕翻訳・伊藤雄馬 コメント


「『黄色い葉の精霊』を研究してるって、それ、本当にいるのかい?」
現代でも伝説的な存在である黄色い葉の精霊、ムラブリ。
その名前の由来である森での遊動生活については、100余年の間、民族誌のみの語るところだったが、今後はこの映画が語り部の役を担うだろう。

確認されている全ての方言を網羅する本映像は、「ムラブリ語の響きが美しいから」という非学術的な動機で研究を始めた私をして、学術的価値の高さを指摘せざるを得ない。

集団間の邂逅も本映像の主格に相当する。
生まれて初めて出会う彼ら彼女らが、お互いの言葉の近さや遠さに驚きながら、接点を探る相互行為は、しかし辿々しいものでは決してなかった。
どんな集団でも、分断があり、統合がある。この邂逅は、過去にもあっただろうし、未来にもあるだろうことに気づいた。
その点において、分断と統合の交差するあの場面は、ムラブリという民族の普遍を見出す格好の資料であろう。

『森のムラブリ インドシナ最後の狩猟民』は3月19日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。

《text:cinemacafe.net》

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