※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています

欲と虚飾と快楽にまみれた19世紀、才能ある若者が落ちぶれていく…『幻滅』場面写真

2022年セザール賞7部門受賞の話題作『幻滅』より場面写真が解禁された。また、グザヴィエ・ジャノリ監督が本作の背景となった19世紀について語っている。

映画 洋画ニュース
注目記事
『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA
  • 『幻滅』© 2021 CURIOSA FILMS - GAUMONT - FRANCE 3 CINÉMA - GABRIEL INC. ‒ UMEDIA

2022年セザール賞7部門受賞の話題作『幻滅』より場面写真が解禁された。また、グザヴィエ・ジャノリ監督が本作の背景となった19世紀について語っている。


>>『幻滅』あらすじ&キャストはこちら

19世紀フランスを代表する文豪、オノレ・ド・バルザックが書き上げた「幻滅ーーメディア戦記」を、『偉大なるマルグリット』(2015)のグザヴィエ・ジャノリ監督が映画化した本作。豪華キャストが集結し、200年も前の物語とは思えないほど現代と酷似したメディアの状況を鋭利に描き出す。

この度解禁されたのは、華麗なる衣装に身を包んだ豪華キャストの場面写真。主演のバンジャマン・ヴォワザンのほか、リュシアンの先輩格として彼を教育していく、ジャーナリストを演じる『アマンダと僕』のヴァンサン・ラコスト、私欲にまみれた人々のなかで唯一、誠実にリュシアンを見守る作家のナタン役を演じる、監督としても世界的な人気を誇るグザヴィエ・ドラン、セシルド・フランス、新星サロメ・ドゥヴェル、そして彼らを固める脇役としてフランスの国民的スター、ジェラール・ドパルデューらの姿も。

グザヴィエ・ジャノリ監督は19世紀という時代について、「リュシアンが“生きて“いくためには、過酷なルールを受け入れなければいけなかった」と語る。

「アングレーム(フランス中西部の都市)の城壁の下にはフランスの『下層』があり、丘の上には貴族たちの『上層』がありました。リュシアンはこの地方都市の出身です。その地形は社会的格差を表しており、野心的なリュシアンはこの格差を埋めようとするのです。ところがパリでは、どこにいるかではなく、どこの出身であるかが重要視されます。パリの裕福な貴族もまた殻に閉じこもっていて、自分たちの特権に執着しています。その中に自分の居場所を見つけるには、価値観を捨ててでも利益への執着が課す新しい『ルール』を受け入れなくてはなりません。スペクタクルと化した社会では、自分の意思に反するとしても喜劇を演じる以外に選択肢がないのです」。

打算的な人々が集まり、生き馬の目を抜くようなパリの都とマスメディアの世界。いまで言うフェイクニュースやステルスマーケティングがこの時代から横行していたことがつまびらかに描かれる。ジャノリ監督は、そんな現代的とも言える要素を強調しながら、風刺に富んだ、極上のエンターテインメントを織り成した。

「幻想に胸をふくらませてアングレームからやって来たリュシアンは、ひどいまやかしを覚え、美しい望みを浪費していきます。失われた純真さ、『自分の浪費』、自分の中の美しく貴かったものを『浪費』するというテーマは、特に私の心に響きました。環境によって自分の理想や最も美しい『価値観』を否定せざるをえなくなる、そんな時代の陰湿な手口により、アングレームからパリにやって来た理想家肌の若き詩人は、文学作品を著したかったはずが広告ライターに落ちぶれていくのです」と語る。「バルザックは才能ある若者たちがこうした罠にはまり自分を見失い、自らを浪費していくのを見ていたのです」。

最後に、「バルザックは、この「新しい世界」が息をのむほど魅力的だったことにも目を向けています。残酷さと哀愁、この2つの音を喧騒が渦巻く中に響かせたいと思いました」と締めくくる。

監督が「幻滅」に出会ったのはソルボンヌ大学で文学を学んでいた20代の頃だったという。あらゆる流派の批評家から研究対象にされていたバルザックの「幻滅」をいつの日か映画化したいと思い描いた当時の夢が昇華した作品となっている。

『幻滅』は4月14日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

関連記事

特集

【注目の記事】[PR]

特集

page top