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映画業界の闇…膨大な実話から練り上げた職場のセクハラ描く『アシスタント』公開決定

「オザークへようこそ」「令嬢アンナの真実」ジュリア・ガーナー主演、今日の職場における大きな問題を掘り下げた『アシスタント』が6月16日(金)より公開決定。

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「オザークへようこそ」「令嬢アンナの真実」でブレイクしたジュリア・ガーナーが主演が務め、ハリウッドを発端に巻き起こった#Me Too運動を題材に今日の職場における大きな問題を掘り下げた『THE ASSISTANT』(原題)が『アシスタント』として6月16日(金)より公開決定。ティザービジュアルとシーン写真3点が解禁となった。

名門大学を卒業したばかりのジェーン(ジュリア・ガーナー)は、映画プロデューサーという夢を抱いて激しい競争を勝ち抜き、有名エンターテインメント企業に就職する。業界の大物である会長のもと、ジュニア・アシスタントとして働き始めたが、そこは華やかさとは無縁の殺風景なオフィス。早朝から深夜まで平凡な事務作業に追われる毎日。常態化しているハラスメントの積み重ね…。

しかし、彼女は自分が即座に交換可能な下働きでしかないということも、将来大きなチャンスを掴むためには会社にしがみついてキャリアを積むしかないことも分かっている。ある日、会長の許されない行為を知ったジェーンは、この問題に立ち上がることを決意するが――。

ニューヨーク・タイムズスクエアの裏手にある薄汚れたオフィスで、18日間という短期間で撮影された本作。映画プロデューサーを目指して大手エンターテイメント会社で働き始めた、若く野心ある新人アシスタントの1日の物語を通して、映画業界を舞台にしつつ、様々な職場が抱える問題とヒエラルキー最下層の人々に共通する経験を浮き彫りにし、サンダンス国際映画祭やベルリン国際映画祭をはじめとした世界中の映画祭や各メディアによって高く評価された。

ヒエラルキーの末端で働く人々の代弁者であるジェーンを演じたのは、Netflixオリジナルシリーズ「オザークへようこそ」で三度にわたるエミー賞助演女優賞に輝いたジュリア・ガーナー。近年ではNetflixオリジナルシリーズ「令嬢アンナの真実」でも主演に抜擢された。

3月には「グッチ(GUCCI)」のフレグランスコレクション「GUCCI GUILTY」のニューフェイスとなるなど、いま最もエキサイティングな若手俳優として地位を確立。細かな演技の積み重ねによって、オフィスで働く人間の仕草やクセ、息苦しいストレス、そしてトップ企業に巣食うハラスメントや搾取の空気と、末端社員である自らの信念との間の葛藤を巧みに表現している。

今回解禁されたキービジュアルは、表情やタイトルが一切なく、性別や年齢、国籍も不確かな匿名の人物を主題に作品を制作する3DCGアーティスト・POOLがアートワークを手掛けたもの。薄暗いオフィスで正面を見つめて1人佇む主人公・ジェーンの姿が描かれ、彼女の孤独とやがて気づくことになる組織の<闇>を感じさせる。

また、背後に垣間見える不在の会長室は、本編では顔を見せない絶対的な権力者の存在を暗示。POOLが作り出す、実在するかのように生々しい「顔のない」人物には英語で匿名の女性を指す“Jane Doe”に由来する名を持ち、数百にも及ぶ労働者へ対して行われたリサーチとインタビューによって得られた膨大な実話(とりわけ女性の痛みや混乱の経験)から形成されたジェーンというキャラクターの意味が託されている。

POOLは、「自分の目の前で当たり前に起きている女性蔑視や抑圧を再確認させられます。この映画がその気づきへの入り口になる事を切に願っております」と本作にコメントを寄せている。


もう一つの『SHE SAID/シー・セッド』、誰も無関係ではいられない87分


監督・脚本・製作・共同編集を手掛けたのは、『ジョンベネ殺害事件の謎』(2017)で知られるドキュメンタリー映画作家のキティ・グリーン。

劇中で描かれる24時間、まるで透明な存在のように様々な暴力の矛先になるジェーン。自分の意見はほとんど述べず、寡黙に状況を見つめる彼女の目を通じて、観客は自分が同じ立場ならどうするか考えさせられる。また同時に、本作は『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』にも連なる、職場のパワハラや性的虐待を許容し蔓延させているシステムへの痛烈な告発でもある。

1つの確信によって、自らも気づかぬうちに組織のシステムに加担していることを知ったとき、ジェーンはどのような選択をするのか。架空の映画会社の1日が、目に見えない“闇<しくみ>”を明るみに出す、誰も無関係ではいられない87分の静かな衝撃となっている。

『アシスタント』は6月16日(金)より新宿シネマカリテ、恵比寿ガーデンシネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。



《シネマカフェ編集部》

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