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少女の怒りと悲しみが止まらない…映画賞席巻『システム・クラッシャー』4月公開

社会のどこにも居場所のなくなってしまった少女を繊細かつ強烈な描写で描いた『システム・クラッシャー』。4月27日(土)より順次公開、ティーザーポスター&特報映像が解禁。

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社会のどこにも居場所のなくなってしまった少女を繊細かつ強烈な描写で描き、ベルリン国際映画祭やドイツ映画賞など世界各国で37冠に輝いた新鋭ノラ・フィングシャイト監督の長編初監督作品『システム・クラッシャー』。4月27日(土)より公開されることが決定し、ティーザーポスター&特報映像が解禁された。

幼少期の父親との関係がトラウマとなった9歳の少女ベニー。彼女の怒りようは烈火のごとく、里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行っても問題を起こして追い出されてしまう。そんなベニーの願いは、ひとつ。「ただ、ママのもとに帰りたい」。

しかし、母親はベニーに対して愛情は持ちながらもどのように接していいのか皆目見当がつかず、施設に委ね続ける。あるとき、非暴力トレーナーのミヒャは、自分とベニーの2人きりで、森深くの山小屋で3週間の隔離療法を受けさせることを提案。はじめは文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャへ心を開き始め、ある変化が訪れる…。

監督・脚本は、本作が長編映画デビュー作となったノラ・フィングシャイト。ホームレスのための避難所生活を描いたドキュメンタリーの撮影中、初めて“システム・クラッシャー”と呼ばれる子どもがいることを知り、教育支援学校、緊急収容センター、児童精神科病棟などの関係者と綿密に取材を重ね、現場を体験しながら5年間のリサーチを経て脚本を執筆し、映画化した。

システム・クラッシャーとは、他者に対してあまりに攻撃的で行く先々で問題を起こし、里親の家や施設を転々とする子どものこと。様々な支援の“システムを破壊する”ほど、手のつけられない子どもたちのことを意味する。

本作は、ただママのもとに帰りたいだけの9歳の少女が、社会からはみ出してしまいどこにも居場所がいなくなってしまう、その現実を繊細かつ強烈な演出により、第69回べルリン国際映画祭のワールドプレミア上映では10分間のスタンディング・オベーションを受け、銀熊賞(アルフレード・バウアー賞)とベルリナー・モルゲンポスト紙読者審査員賞の2冠を受賞。

その後も多くの批評家から絶賛を浴び、ドイツ映画賞では作品賞、監督賞、脚本賞、俳優賞、女優賞を含む8部門を受賞。さらに第92回アカデミー国際長編映画賞ドイツ代表作品に選出されるなど、世界各国37冠に輝いた。米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では批評家95%・観客96%の高評価を叩き出し、ドイツ本国では観客動員数20万人突破の大ヒットを記録した。

フィングシャイト監督は2作目のNetflix映画『消えない罪』(20)で主演にサンドラ・ブロックを迎え、20年の刑期を終え出所した女性を描いてハリウッドへの進出を果たし、3作目となる『The Outrun』(原題/24)はアルコール依存症の克服を描いた作品で、シアーシャ・ローナンが主演・製作を務めたことも話題となり、いま世界で最も期待される監督のひとりとなっている。

音楽を担当したのはジョン・ギュルトラー。ベニーの心理状況に合わせて、ときに甘酸っぱく、ときにソリッドなビートを刻み、情感あふれるスコアで第32回ヨーロッパ映画賞の最優秀作曲賞を受賞した。

また、ベニーを演じた主演のへレナ・ツェンゲルは、撮影当時は10歳で、ドイツ映画賞の主演女優賞を歴代最年少で受賞する快挙を成し遂げた。出演シーンの大半が全身全霊の慟哭で周囲を絶望に追い込むという強烈な役どころ。

本作出演後、名優トム・ハンクス主演のNetflix映画『この茫漠たる荒野で』(20)に孤児役で出演。早々にハリウッド映画デビューを遂げ、第78回ゴールデン・グローブ賞の助演女優賞にノミネートされた。A24製作の『The Legend of Ochi』(原題)ではウィレム・デフォー、エミリー・ワトソンらとの共演が決定している。

Variety誌の「注目すべき俳優リスト10人」や、ハリウッド・レポーター誌の「注目すべきヨーロッパの才能リスト10人」にも選ばれ、その恐るべき演技力は世界的にも注目となっている。

『システム・クラッシャー』は4月27日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて順次公開。


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《シネマカフェ編集部》

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