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【レビュー】「殺し屋たちの店」“叔父”イ・ドンウクד姪”キム・ヘジュンが魅せる、相乗効果のミステリーとサバイバル

2024年のディズニープラスオリジナル韓国ドラマは、「トッケビ」のイ・ドンウクと「コネクト」のキム・ヘジュン共演で贈る「殺し屋たちの店」から幕開け、新感覚のクライムスリラー×アクションが楽しめそうだ。

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『殺し屋たちの店』1話 © 2024 Disney and its related entities
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社会現象級の盛り上がりとなった世界的ヒット作「ムービング」や、「最悪の悪」「ヴィジランテ」など話題作を次々送り出すディズニープラスオリジナルの韓国ドラマ。2024年は、「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」の死神役で知られるイ・ドンウクと三池崇史監督×チョン・ヘインの「コネクト」にも抜擢されたキム・ヘジュンの共演で贈る「殺し屋たちの店」から幕を開ける。

2人が演じるのは、叔父と姪っ子。叔父から受け継いだ“危険な遺産“と自らの命を守るため、天涯孤独になった姪が怪しい殺し屋集団と対決するミステリアスでスタイリッシュなサバイバル・アクション、そして親愛のドラマが期待できそうだ。


『キングスマン』ファンも見逃せない!?
叔父の危険な裏稼業


大学生になったばかりのチョン・ジアンはある日、警察から唯一の家族であるジンマン叔父さんが自殺したとの連絡を受ける。あの叔父が自ら命を絶つなんて…と、にわかには信じられないまま田舎町の叔父の家に戻ったジアンは、叔父が表向きは農業用ホースの販売と見せかけて、実は殺し屋御用達の武器を売るオンラインショップを経営していたことを知る。

叔父の死をようやく受け入れたのも束の間、そんな衝撃の事実を知らされたジアンの前に、叔父の“遺産”を狙う殺し屋集団が現れる! 飛来してきたドローンからは容赦なく銃弾が降り注ぎ、防弾ガラスも木っ端みじんに。遠くからライフルで狙いを定める殺し屋もいる…。

姪っ子ジアンは叔父ジンマンが残した“危険な遺産”を守りながら、無事生き残ることはできるのか。ポツンと建つ一軒家に、何台ものドローンと何人もの殺し屋が迫る不穏さに好奇心をかき立てられる。英国発のスパイアクション『キングスマン』や、チョン・ドヨンが“暗殺請負人”の母親役に挑んだ『キル・ボクスン』などが好きな方もハマりそうな、ありそうでなかった新感覚のクライムスリラー×アクションが展開していく。

そして、なぜジアンは叔父ジンマンと共に暮らすようになったのか、過去が語られ始めると、この2人への興味がさらに加速する。親子とは違う、叔父と姪っ子だからこその微妙な距離感。お互いに壮絶な体験をしながら、少しずつ距離を縮めていく姿に感情が揺り動かされっぱなしになる。

ジアンが初めてジンマン叔父さんと会ったのは7歳のとき。長らく消息不明だったジンマンが兄夫婦の家に身を寄せると、まもなく母(ジアンの祖母)が急死。その葬儀の日に別の悲劇も起きてしまい、ジアンは両親を一度に失ってしまう。「すぐに戻ってくる」と言い残して去った叔父ジンマンはなかなか帰らず、幼きジアンは謎の殺し屋から追われることになる。

その日に植えつけられたジアンのトラウマは、叔父さんと見ていた動物ドキュメンタリーによって恐ろしい姿をした“空想のハイエナ”として現れる。瀕死のライオンに“そのとき”が来ることをいまかいまかと待ち、群れをなして騒ぎ立てるハイエナはジアンのトラウマの化身だ。

だが、「ムービング」もそうだったように、窮地に陥った人間のしぶとさや強さ、何としてでも生き抜いてやるという強い意志が幼いジアンからは感じとれる。そして、ようやく駆けつけてジアンを見つけたものの、姪っ子の心の傷を知ったジンマンが激しく悔いるシーンは胸をえぐられる思いがする。

叔父と姪っ子、2人だけの暮らしが始まると、早々に「お前の親じゃないから面倒は見られない」と言い放つジンマン。つまり、つまずいて転んだとしてもジアンは自分自身で立ち上がるしかない、という暗黙の原則が2人の間に生まれる。

雨の日の下校時間にもお迎えは来ない。ずぶ濡れになりながら歩き始めたジアンに、遅れたジンマンのトラックが追いついても、ジアンはその原則を貫き、やがてジンマンのトラックは走り去ってしまう。互いを気にかけながらも、傷を抱えた意地っ張り者同士が少しずつ歩み寄り、親愛と信頼を深めていく中でジアンは自立を覚えていくことになる。


「殺し屋たちの店」を視聴する

キム・へジュン&イ・ドンウクの組み合わせが
ミステリアスの相乗効果に


韓国ジャンル文学の名手カン・ジヨンによる人気小説を原作に、全8話で映像化された今作で、叔父の予期せぬ死の後、怪しいオンラインショップに辿り着いたことから殺し屋集団を相手に奮闘することになる大学生チョン・ジアンを演じるのが、キム・ヘジュン

彼女を初めて知ったのはKゾンビ時代劇の決定版「キングダム」だが、王宮で誰よりも権力に固執した父(「ムービング」のリュ・スンリョン)の教え以上に、最後の最後まで強欲であり続けた王妃役が衝撃的だった。一転、名優キム・ユンソクの初監督映画『未成年』では同級生の母親と不倫する父を嫌悪し、大人たちに翻弄されながらも早く大人にならざるを得なかった少女を演じて、第40回青龍映画賞にて『はちどり』のパク・ジフらを押さえて新人女優賞を受賞する。

同世代の中でも頭ひとつ抜けている印象を抱いていたからこそ、「コネクト」に起用された際には「やっぱり!」と膝を打った。チョン・ヘイン演じる不死身の新人類“コネクト”ドンスを助け、その秘密を握る謎多きイランという女性に扮し、アクションにも果敢に挑んでいた。

さらに「マエストロ」のイ・ヨンエによる異色作「調査官ク・ギョンイ」では、ク・ギョンイ(イ・ヨンエ)に追われる現代のサイコキラーを演じ切った。どこか真意のつかめない、何か突拍子もないことをしでかしそうなミステリアスな人物は彼女の得意とするところなのだ。

今作で演じるジアンは、大学に入るころには叔父ジンマンの前で軽口を言うようにはなったものの、幼少期の体験もあってか自身の感情との向き合い方は決して器用とはいえず、誰かに愛想笑いなどもしない。頭が切れ、ジンマン直々のサバイバルの教えが実は染みついている。

一方、冷静沈着で謎めいた“殺し屋”チョン・ジンマンを演じるイ・ドンウクは、また新たな一面を見せてくれる。「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」では死神として、「九尾狐伝」では元山神の九尾狐(クミホ)として人間の女性に恋する役柄を好演するなど、日本でも人気を博してきたイ・ドンウク。

死神や九尾狐と言われても思わず納得してしまうような、良い意味で現世離れした謎めいた雰囲気と色気が持ち味で、韓国では“国民のファンタジー男”との異名もある。

しかし今回は、やや武骨なところがある、顔に傷を持つ殺し屋として、彼なりに姪っ子育て(!?)に奮闘することになる。そもそも、イ・ドンウク演じるジンマンが最初に姿を見せるのが、1人だけ浮いているように見える家族写真や遺影というだけでも異質だ。

ハイエナたちを見つめながら「弱い者ほど吠える」、「怖いときこそ、しっかり目を見開いて見ろ」と話すジンマンの言葉は、やがてジアンの記憶から取り出され反芻されて心強い味方となっていく。

ジアンの子ども時代を演じる、子役のアン・セビンがまた巧い。「LINK:ふたりのシンパシー」や「ファースト・レスポンダーズ 緊急出動チーム」シーズン2、カン・ジヨン原作のドラマ「殺人者の買い物リスト」など、すでに出演作多数。その関係性はまるで違うが、昨年「誘拐の日」でユン・ゲサンとのコンビが話題になった新星子役ユナと同様、層の厚い韓国の次世代を担う子役の1人といえ、名優の片鱗を目にできる。

さらに、ジアンの幼なじみジョンミン役には、同じく「殺人者の買い物リスト」にも出演していたネクストブレイク候補といえるパク・チビン

最近では「エージェントなお仕事」『PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ』での冴えない役柄が印象的だったソ・ヒョヌが、ジアンを追い詰める殺し屋ソンジェをかなり憎たらしく演じているのも見逃せない。

映画『ドアロック』で緊張感を持続させる演出を見せたイ・グォンが、キム・ヒョンジュンの「時間が止まるその時」の脚本家チ・ホジンとともに贈る本作。“そう来るか!”という展開が目白押しで、続きが気にならずにはいられない。


「殺し屋たちの店」を視聴する

「殺し屋たちの店」は1月17日(水)より毎週水曜日2話ずつディズニープラス スターにて独占配信中(全8話)。

〈提供:ウォルト・ディズニー・ジャパン〉

《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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