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カン・ハヌル×チョン・ソミン『ラブリセット 30日後、離婚します』夫婦の掛け合いに笑って泣いてキュンとして

カン・ハヌルとチョン・ソミン『ラブリセット 30日後、離婚します』は「記憶喪失」に「離婚」を交えたラブコメディ、楽しく笑えつつ、キュンとするときめきと気づきを与えてくれる

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『ラブリセット 30日後、離婚します』©CINEMA WOOLLIM, TH STORY AND MINDMARK
『ラブリセット 30日後、離婚します』©CINEMA WOOLLIM, TH STORY AND MINDMARK
  • 『ラブリセット 30日後、離婚します』©CINEMA WOOLLIM, TH STORY AND MINDMARK
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「椿の花咲く頃」『ミッドナイト・ランナー』など多くの話題作に出演し、高い人気と実力を兼ねそなえるカン・ハヌルと、「還魂」から『オオカミ狩り』まで幅広い挑戦を見せるチョン・ソミンが共演、韓国で2023年ラブコメ映画NO.1のヒットとなった『ラブリセット 30日後、離婚します』が公開中だ。

主演の2人と彼らを取り囲むキャストたちの芸達者ぶりも相まって、「記憶喪失」という韓流の定番要素に「離婚」という新機軸を交えたラブコメディは楽しく笑えつつ、キュンとするときめきと気づきを与えてくれる。


映画のような恋で結ばれたのに、離婚“D-30”始まる!


ソウル大卒ながら司法試験に何度も落ち続け、ようやく弁護士になったノ・ジョンヨル(カン・ハヌル)。そして、父は軍人で名家出身、映画プロデューサーとしてバリバリ働いてきたホン・ナラ(チョン・ソミン)

そんな2人の“何が何でも離婚したい!”という、こじれにこじれた夫婦関係は、Netflix配信中で人気を博している「涙の女王」とも似た設定ではあるが、こちらは離婚危機の夫婦がそろって記憶喪失になることから始まるドタバタ離婚ラブコメディだ。

遡ること数年前、ジョンヨルはナラにひと目ぼれ、ナラもジョンヨルの笑顔に惹かれて交際をスタート。ナラの両親により、ナラが別の男性と見合い結婚させられそうになるも、その結婚式当日、やけ酒をあおっているジョンヨルのもとに彼女がウエディングドレスのまま駆けつける…という映画のような大恋愛の末に2人は結ばれた。

それがいつの間にか、お互いの価値観や性格の違いが気になり出し、ナラの母・ボベ(チョ・ミンス)とジョンヨルの母・スクチョン(キム・ソニョン)からの干渉にイライラが“ちりつも”で耐え切れなくなり、2人はついに離婚を決意。韓国の法律により“熟慮期間”を経た30日後に離婚が成立することが裁判所の調停で決まる。

喜々として30日後=D-30をスマホにリマインドするジョンヨルだったが、その帰り道、いつもの口ゲンカが始まったところで交通事故に遭い、2人そろって記憶喪失に。結婚していたことも、30日後に離婚しようとしていたこともすべて忘れてしまう…。

離婚に賛成な両親たちは、2人が離婚を決心した当時のことを思い出させるため、それまで通り夫婦が一緒に住んでいた家で過ごさせることに。記憶をなくした2人は、なぜ幸せそうなガーデンウエディングの写真が傷だらけなのかさえ覚えていない。

お互いへの記憶が真っさらになった2人はもう一度、今度は家族や友人にばれないように恋に落ちていく。こっそりデートを重ねたり、妹の留守中に仲良くベッドに入ったりと以前よりも情熱的に、だ。

カン・ハヌル演じるジョンヨルはナラをからかうときのモノマネや、ポロッと出てしまう釜山の方言、変顔をこれでもかと見せたかと思えば、弁護士として仕事をする際にはビシッとしたスーツ姿に。その七変化の熱演を追っていくだけでも楽しい。

ナラを演じるチョン・ソミンは恋に落ちていくキュートな姿やキャリアウーマンの姿と、見事な酔っ払い演技でギャップを見せる。昔の彼に浮気されたナラが野球観戦をしながら憂さ晴らしするシーンでは野球場内の大型ビジョンに自分が映ると豪快にビールをあおり、毒舌でストレスを発散するなど、思いきりのよさ、ふり切れっぷりが心地よいほど。

夫婦ゲンカの一部始終は当事者には“あるある”のオンパレード、傍から見れば“犬も食わない”ものながらも、記憶をなくした2人がどうあがいても惹かれ合ってしまい、友達のバーだろうがどこだろうがラブラブな雰囲気になると思わず観ているほうも笑顔がこぼれてしまう。


韓流ドラマでおなじみの“アレ”から恋が加速!


かつて2人の恋が本格的に始まったのは、大型ビジョンに映るナラをジョンヨルが見つけた野球の帰り、急に降り出した雨の夜のこと。落ち込むナラにジョンヨルが傘をそっと差し出すのだが、最初は傘で隠れて相手の顔がよく見えない。傘をゆっくりと上げていったら「あなただったのね…」という、見覚えあるシーンが登場する。

カン・ドンウォンがブレイクするきっかけになった映画『オオカミの誘惑』に始まり、「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」「トッケビ~君がくれた愛しい日々~」ほか、「わかっていても」では「Eye Love You」で大人気になったチェ・ジョンヒョプがその役目を担うなど、ときめきの始まりには欠かせない傘シチュエーションだ。

カン・ハヌルも2021年の主演映画『雨とあなたの物語』の傘職人を彷彿とさせるくらい、雨と傘がよく似合っていたが、映画後半にも2人の恋が“再燃”する際に繰り返されるのが心憎い演出となっている。

また、カン・ハヌルは映画『ハッピーニューイヤー』でも公務員試験に落ち続け、恋人に振られた就活生を演じており、司法試験浪人や公務員試験浪人の男性を家族や恋人が支える様子は昨今の作品で時折目にする。

今作でも、裁判所の調停で「青春を、こいつを養うことに捧げた」とナラが話していたのが印象的だった。実家から多少の援助はあったにせよ、ナラが働いてジョンヨルの夢を経済的に支えてきた。彼は1人でがんばって司法試験に受かったつもりでいたようだが、ナラという傘があったからこそ実現できたのだ。

確かに酒癖はあまりよいとはいえない(!?)、何不自由なく育ったからこそマイペースで、ものの大切さに気づけないこともあるだろう。ナラもジョンヨルのセコくて情けないところには嫌気がさしていたが、2人の格差にコンプレックスを抱えていたジョンヨルの、余計かもしれない“男のプライド”は夫婦の間の溝を深めてしまった1つの要因ではあった。

キム・ソニョン演じるジョンヨルの母・スクチョンが、何かあると「金持ちの娘だから」とついナラに言ってしまうのも男性側の親として引け目があるゆえか。悪気のなさと嫌味の間を演じさせたら右に出るものはいないキム・ソニョンが、今作でも味を見せる。

さらに、娘ナラの幸せのため、離婚して海外留学してほしいと願っていた母・ボベを演じるチョ・ミンスの存在感にも圧倒される。

キム・ギドクの『嘆きのピエタ』や、ヨン・サンホ脚本のドラマ「謗法~運命を変える方法~」、パク・フンジョン監督『THE WITCH/魔女』シリーズなどで強烈な役柄を演じてきたが、今作の母親役は影のMVPである。不必要なことはまるで言わず、淡々として一見クールに見えるものの、娘を愛し、娘の愛した人を尊重する包容力をコメディの中で表現している。

なお、日本でも絶大な人気を誇るK-POPグループ「KARA」のジヨンがある重要な役(!?)でカメオ出演しているので、ぜひ見つけてみてほしい。

『ラブリセット 30日後、離婚します』は丸の内ピカデリーほか全国にて公開中。


《上原礼子》

「好き」が増え続けるライター 上原礼子

出版社、編集プロダクションにて情報誌・女性誌ほか、看護専門誌の映画欄を長年担当。海外ドラマ・韓国ドラマ・K-POPなどにもハマり、ご縁あって「好き」を書くことに。ポン・ジュノ監督の言葉どおり「字幕の1インチ」を超えていくことが楽しい。保護猫の執事。LGBTQ+ Ally。レイア姫は永遠の心のヒーロー。

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