21日(現地時間)、第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でノルウェー出身のヨアキム・トリアー監督作『Sentimental Value(英題)』がワールドプレミア上映され、15分にわたるスタンディングオベーションを受けた。
本作はヨアキム・トリアー監督にとって、2021年の『わたしは最悪。』以来の長編映画で、前作に続き主演はレナーテ・レインスヴェ。『わたしは最悪。』は、2021年のカンヌ国際映画祭にてプレミア上映され、レナーテ・レインスヴェが女優賞を受賞。以降、彼女のキャリアは大きく飛躍した。今作ではエル・ファニングがハリウッド女優役で共演している。
今作は、疎遠になっていた父グスタフとノラ&アグネス姉妹の再会をきっかけに物語が展開。かつて名監督として名を馳せたグスタフは自身の復帰作に舞台女優のノラを起用しようとするが、ノラはそのオファーを断る。するとグスタフは、その役を若手のハリウッドスターに与えてしまい、家族の間に新たな亀裂が生じる。ノラとアグネスは、それぞれが抱える父との確執、そして家族の複雑な感情に向き合っていく。
「Variety」によると、『Sentimental Value』の上映終了時刻は午前1時を過ぎていたにもかかわらず、会場では拍手が鳴りやまなかった。感極まったエル・ファニングは涙をぬぐい、ヨアキム・トリアー監督と抱き合って観客に作品が受け入れられたことを喜んだ。15分のスタンディングオベーションは今年の映画祭で最長記録となっている。
※誹謗中傷・差別的発言・ヘイトスピーチは削除や利用制限などの対象となります。コメントを投稿する際は「利用規約」を必ずご確認ください