6月2日、パク・ヘス主演のドラマ『かかし』(U-NEXTで日本配信中)で、連続殺人犯役を演じた俳優のチョン・ムンソンの終映インタビューが行われた。
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『かかし』は、パク・ヘスとイ・ヒジュン共演の本格サスペンス・ミステリードラマ。過去の因縁から互いを激しく嫌悪する刑事と検事が、ある連続殺人事件をきっかけに共闘を余儀なくされるというストーリーが展開されていく。
劇中でチョン・ムンソンは、連続殺人事件の真犯人であるイ・ギファン=イ・ヨンウを演じ、視聴者に大きな衝撃を与えた。
(イ・ギファンは作中の人物名で、イ・ヨンウ はその人物が使用している別名・身分として登場する名前である。)
道端で「連続殺人犯だ!」と叫ばれる!
放送後の周囲の反応について尋ねられたチョン・ムンソンは、「1週間ほど前だったと思います。最終回の放送前で、犬の散歩をしていたんです。すると、ある女性の方が突然「連続殺人犯だ!」と叫んだんですよ。それを聞いて事情を知らない周りの人たちが後ずさりしていました(笑)。その場で説明するのも微妙だったので、そのまま逃げました。マスクをしていたのに気づかれたんです」とエピソードを明かした。
続けて、「人気が出たと言うには少し違うかもしれませんが、多くの方に気づいていただいていますね。『賢い医師生活』の頃と少し変わったとすれば、これまでは親しげに声をかけてくださったり、気軽に話しかけてくださる方が多かったんですが、今は少しひそひそ話をされるんです」と語り、笑うに笑えない“苦笑いエピソード”を伝えた。
「自分の演技を見て、心が重くなった」
「僕は自分が出演した作品を何度も見返したり、熱心にチェックするタイプではありません。この作品は台本が本当に素晴らしかったですし、撮影現場の雰囲気も良かったので、完成作がどう仕上がるのかとても気になっていた作品でした。台本に書かれた内容がうまく映像で表現されてほしいという思いがあって放送を見たのですが、まず作品自体がとても面白く仕上がっていて安心しました」と語った。
しかし一方で「演技をしていて初めて感じた感情だったのですが、画面に映る自分の姿が好きになれなかったんです。嫌でした」と率直な感想も明かした。
さらに、「もちろん、それがキャラクターの特徴だと言うこともできます。でも今回は実際に存在し得るような人物を演じなければならなかったので、なおさらそう表現されるべきだと思いました。そのために周囲からさまざまな助けも受けながら作り上げていった結果、自分が演じたにもかかわらず、少し見ていて嫌になるような人物が出来上がったんです」と説明した。
そして、「悪人ではありますが、現実に存在していそうな人物を演じたのは今回が初めてでした。これまでどんな悪役を演じても気分が沈んだことはなかったのですが、今回は違いました。心が重かったですね」と、複雑な心境を打ち明けた。
“連続殺人犯”を演じるための役作りに苦戦
チョン・ムンソンは、連続殺人犯というキャラクターを表現するためにどのような努力をしたのかについて、次のように語った。
「実際、この事件に関する資料はたくさんありますし、本人の音声や映像を直接見ることができる資料も存在します。でも僕は、監督と話した内容以上の資料はあえて見ないようにしていました。もちろん、キャラクターの根底には実在の人物がいるのかもしれませんが、僕が演じるべきなのはあくまでもイ・ギファンであり、イ・ヨンウだと思っていたんです。そして、もし実在の人物の要素が僕が演じるキャラクターに深く入り込みすぎてしまったら、作品そのものだけでなく、実際にその事件に関わった方々にどのような影響を与えるだろうかと考えました。自分が誤った選択をしたときに生じる結果への怖さもありました」と、役作りにおける責任感を明かした。

「僕は基本的に、自分が納得できないと演技ができないタイプなんです。自分の中で理解できて、心から腑に落ちて初めて演技ができるんですが、この役に関しては、ある時点で「そうやって演じてはいけない」と思うようになりました。なにしろ14人を殺害した人物です。自分の常識の範囲内で理解しようとして演じてはいけないと思いました」。
「だからといって、「この人は悪人だ」と自分が判断する枠組みの中で演じるのも違うと感じたんです。「これは悪い行為だよな」と思いながら演じれば、その意識は必ず演技に表れてしまいます。なので、僕自身が“悪人”と規定するような演じ方も排除しました。また、人は誰しも自己防衛の心理がありますよね。自分にとって正しいことだと合理化しながら行動するものです。でも、この人物については、その合理化すらしてはいけない気がしたんです。彼は本当に「自分が悪いことをしたのは分かっているけれど、これは仕方がなかった」「これでいいんだ」というように自分を正当化していたのだろうかと考えました。でも、そうでもないように思えたんです。だから本当に難しかったですね」と、役作りの苦労を率直に打ち明けた。
続けて彼は、「ある意味では、その瞬間にやりたいようにやるという感覚でした。相手の話を聞いて、それを頭の中で整理してから言葉を返すのではなく、耳に入ってきたものがそのまま通り抜けて出ていくような話し方をしようと思ったんです。だからこそ、自分で自分を見ていて嫌だったのかもしれません。自分の心や考えの中に存在している人物のようには感じられなかったからです」と語った。
自分が演じた役に愛着を持つことができなかった…
また、『かかし』を通じて俳優として得たものについて聞かれると、
「僕は基本的に納得できないと演技ができない人間です。でも今回は、その外側にあるような、形もなく、手でつかむこともできないような不思議な演技をしなければなりませんでした。それでも俳優である以上、自分自身を懸けてその役を演じなければなりませんでしたからね。そういう部分に挑戦したことだけでも、俳優として間違いなく大きな糧になったと思いますし、今後はもっと幅広い演技ができるようになるのではないかと思います」と振り返った。
一方で、「画面に映る自分の姿に愛着を持てなかったことは少しつらかったですね。もちろん、それが原因で日常生活に支障が出るほどではありません。ただ、この人物は“愛されてはいけない人物”であり、実際に愛されなかったことに対する欠落感のようなものがあります。なぜなら、僕自身ですら愛することのできない人物だったからです」と、複雑な思いを率直に打ち明けた。
実在する人物を演じるのは簡単なことではない
また、「今後、再びこのような役を演じることができると思うか」と問われると、チョン・ムンソンは次のように答えた。
「できるとは思いますが、決して簡単なことではありません。もし実在しない、純粋に邪悪な人物を演じろと言われたら、誰の常識にも収まらないような本当に悪い人物を演じる自信はあります。しかし、また実在する人物をモチーフにした役を演じるとなると、かなり悩むと思いますね。今回はよく分からないまま飛び込んだ部分もありましたが、次に同じような役を引き受けるなら、自分自身に大きな勇気が必要になると思います」と率直な心境を明かした。
さらに彼は視聴者に向けて、
「僕の演技を見て、つらい思いをされたり、不快な気持ちになったりした方がいたなら、本当に申し訳なく思います。また、監督からは被害者の方々と話をしたということも聞いています。皆さんにも、この出来事に関心を持ち、心の中で多くのことを考えていただけたらと思います」と語った。
そして、「この作品では久しぶりに情熱を注ぎ込み、全力で演じました。これからも一生懸命演技を続けていきます」と視聴者へのメッセージを伝え、インタビューを締めくくった。

(記事提供=OSEN)
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