火の女神ジョンイ』(2013年)で、主人公ジョンの幼なじみシム・ファリョンを演じたソ・ヒョンジン。
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ファリョンは幼い頃こそジョンとともに器作りを学んでいたが、父の借金を返すために商団へ入り、やがて商人としてたくましく生きていく女性だ。友情、嫉妬、恋心が複雑に絡み合う役柄を演じたソ・ヒョンジンだが、当時はまだ現在ほど「主演女優」のイメージが定着していたわけではなかった。
それから十数年。今や韓国ドラマ好きなら知らない人はいないほどの実力派女優へと成長している。
もともとソ・ヒョンジンは、2001年にガールズグループM.I.L.K.のメンバーとしてデビューした異色の経歴を持つ。グループ活動終了後に俳優へ転身し、ドラマや映画で地道に経験を積んでいった。『火の女神ジョンイ』(2013年)も、そんな時期に出演した作品の一つだった。
大きな転機となったのは、『ゴハン行こうよ♥2』(2015年)。等身大で親しみやすい女性を演じ、それまで以上に女優として注目されるようになる。
そして、その人気を一気に決定づけたのが『また!?オ・ヘヨン~僕が愛した未来~』(2016年)だった。
同姓同名の美女と比較されながら生きてきたヒロイン、オ・ヘヨンを演じ、笑いも涙も惜しみなく見せる演技で大ブレイク。一躍ラブコメディの人気女優へと駆け上がった。
さらに同年の『浪漫ドクター キム・サブ』(2016年)では医師ユン・ソジョンを熱演。ロマンチックコメディだけではない演技力を改めて印象づけた。
その後も『愛の温度』(2017年)、『僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~』(2018年)、『ブラックドッグ~新米教師コ・ハヌル~』(2019年)など主演作が続いた。
特に興味深いのは、年齢を重ねるにつれて作品選びも変化していったことだ。『なぜオ・スジェなのか』(2022年)では、成功のために冷徹に生きてきた弁護士オ・スジェ役に挑戦。かつての明るく親しみやすいヒロイン像とは異なる、鋭さと孤独を抱えた女性を演じた。
Netflixシリーズ『トランク』(2024年)でも、コン・ユと共演し、秘密を抱えた複雑な人物を演じている。
そして近年も主演女優として活動を続け、2025年末に韓国で放送が始まった『Love Me』(2025年)では、産婦人科医ソ・ジュンギョン役を担当。40代を迎えた女性の孤独や家族、愛を描く物語で、より成熟した演技を見せた。

『火の女神ジョンイ』(2013年)のファリョンを覚えている人にとって、現在のソ・ヒョンジンの立ち位置は少し意外かもしれない。
当時はムン・グニョン演じるジョンを取り巻く主要人物の一人だったが、その後は数々の作品で物語の中心を担う存在になった。
アイドルから俳優へ。そして脇役から主演へ。
『火の女神ジョンイ』で友情や嫉妬に揺れるファリョンを演じたソ・ヒョンジンは今、ラブコメから医療、法廷、ヒューマンドラマまで幅広くこなす、韓国ドラマ界を代表する主演女優の一人へと成長している。
文=森下 薫
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