踊ることを禁じられた国に生まれた、類稀な踊りの才能を持つ王女オーロラ(マルゴ・シャトリエ)は、傾国を救うため、異国の王子との婚約を迫られる。美しいオーロラに求婚するため、自国の舞踏団を率い、舞踏会に望む隣国の王子たち。しかし、彼女が愛したのは見合いのための肖像画を描いた名も財もない絵描き(ニコラ・ル・リッシュ)だった。やがて家臣の企みに掛り国王の逆鱗に触れた絵描きはオーロラの目の前で処刑されることに…。
cocoレビューを見るニルス・タヴェルニエ
日本でも大ヒットを記録したドキュメンタリー映画『エトワール』で、パリ・オペラ座の舞台裏にカメラを向けたニルス・タヴェルニエ。そんな彼が監督を務めた新作『オーロラ』は、バレエ映画の新境地とも言える異色の作品だ。ある王国の王女オーロラを中心にしたフィクションの物語を展開させながら、華麗なダンスシーンをふんだんに盛り込む。この大胆な試みの実現に一役買ったのが、パリ・オペラ座のエトワールとして絶大な人気を集めるトップダンサー、ニコラ・ル・リッシュだ。「この映画には独特のトーンがあるんだ。夢幻的なお伽話のようでもあるし、ダンスをフィーチャーした作品でもある。しかも、それが1本の映画として成立し、ひとつの魅惑的なオブジェになっている。物語が展開していくリズムも独特で、まるでロマンティックバレエのようなんだ。そういったところが『オーロラ』の魅力だし、僕自身が惹かれたポイントでもあるね」
パリ・オペラ座の全面協力の下で製作されたニルス・タヴェルニエ監督の新作『オーロラ』の日本公開の初日が12月16日(土)に決定した。