中国、宜興。上海から南西、車で3時間ほどのところにある、小さな焼き物の町。古き中国の趣を持つこの町で、呉彩陽(小崎さよ)は、窯元を営む父・康龍と母、そして祖母(南田洋子)に囲まれて何不自由なく育った。今は上海で美術学校に通い陶芸の勉強をしている。上海での生活はとても楽しく、刺激的なものだった。ある日、彩陽の元に祖母の危篤を知らせる電話が。故郷の家へ戻った彩陽は、病床の祖母から以外な事実を知らされる。それは、父・康龍が日本人であるということ。彩陽は祖母の想い、父の想いを胸に、日本へ向かう決心をする。慣れない日本での生活の中、父の本当の母親を捜し求める彩陽。滞在期間は6ヶ月、捜索はなかなか進まない。そんなある日、アルバイト先で、あるテレビ番組プロデューサーに出会う…。中国に住む孫と、美濃に住む祖母の再会を通して、家族の絆を取り戻していく姿をドラマチックに紡ぐ。
徳江長政