日本が戦争へと向かっていく昭和15年。国民の戦意高揚の妨げになると様々な娯楽が取締りの対象となっていたこの時代、演劇も台本の段階で厳しい検閲を受けていた。警視庁の取調室では2人の男が新作喜劇を巡って熱い火花を散らしていた。一方は一度も笑ったことがない厳格な検閲官・向坂睦夫。もう一方は笑いに命をかける劇団“笑の大学”の座付作家・椿一。向坂は台本から“笑い”を排除しようと椿に提案する。上演の許可をもらうためその要求を聞き入れながらも、なんとか“笑い”を残そうと苦悩する椿だったが…。
星護