昭和のはじめ。貧しさゆえに、その瞳から光を奪われた少女・ふみ子(鈴木理子)。それでも彼女の心の奥底には光あった。目が見えなくとも読める文字・点字の存在を知り、盲学校への進学を希望するふみ子。母・チヨ(藤谷美紀)もその願いを受け止めた。しかし女に学問は不要という風潮の強い時代で、母子の前に立ちはだかる壁は厚かった。母の苦悩を前にして、あんまへの道を選んだふみ子。つらく厳しい修行のなかでも彼女は夢を捨てなかった――。
近藤明男