大阪市南部、若い女性たちの惨殺事件が続発する。被害者たちは下腹部を切り裂かれ、その生殖器が持ち去られていた。 犯人は廃墟ビルの屋上で暮らす孤独な青年、誠(佐野和宏)。彼は菜穂子と名づけられたマネキンを愛し、「愛の結晶」が誕生することを夢想していた。そして誠は次々に若い女性を惨殺し、奪った生殖器を菜穂子に埋め込んでいく。やがて彼女に不思議な生命が宿りはじめ、次第に様々な人間が、誠と菜穂子が暮らす“魔境”という名の廃墟ビルへと引き込まれていく――。故・寺山修司に「映画になったら事件」といわれた伝説の映画をデジタルリマスター版として、再び制作された。