1956年モスクワ。前回オリンピックの覇者・ハンガリーとライバル・ソ連の水球の試合が行われている。地元・ソ連びいきの判定の連続にハンガリーのエース・カルチは怒りに任せて審判めがけてボールを投げつけ試合は中断。ハンガリーは敗れてしまう。ブダペストへ戻ると、カルチは秘密警察AVOの本部へ連行され、“フェリおじさん”と名乗る男に「家族が大切ならば、金輪際ソ連の同志に刃向かうな」と脅される。
1956年。水球のハンガリー代表のエース・カルチ(イヴァーン・フェニチェー)はある偶然から、MEFESZ(ハンガリー独立学生連盟)に参加する美しい女性・ヴィキ(カタ・ドボー)に心を奪われる。当初ヴィキはカルチを共産主義者のお気に入りとして冷たくあしらうが、10月23日に行われたデモで、秘密警察に仲間が殺されたことをきっかけに心を通わせる。ハンガリー代表のエースとしての立場と、民主化運動に対し傍観者ではいられないという、市民として思いの間で激しく葛藤するカルチ。ヴィキは戦いの中に身を投じるが…。1956年のハンガリーの民主化運動と、事件の数週間後に行われたメルボルンオリンピックにおけるハンガリー対ソ連の試合を背景に描かれた人間ドラマ。
クリスティナ・ゴダ