子連れの女との結婚を控えた中年の看守・平井(小林薫)。平井が勤務する拘置所には死刑囚の金田(西島秀俊)が収容されており、模範囚ながらつかみどころのない彼の対応を含め、平井は心身ともに大きな負担を抱えていた。披露宴を週末に控えたある朝、金田の刑が2日後に執行されることが平井に言い渡された。処刑の執行補佐を買って出れば、1週間の休暇を与えられると聞いた平井は、苦悩の末、その役に名乗り出る。そして刑は執行され、平井は新妻の美香(大塚寧々)と彼女の息子とともにささやかな新婚旅行に出るが、彼の脳裏からは、死刑執行に加担した記憶がいつまでも離れなくなっていた…。吉村昭の短編小説を原作に、生と死の狭間で揺れる刑務官の姿を描く。
門井肇