いつの頃からかいつもヨシオ(深澤嵐)のそばにいる不思議ないきもの、“いけちゃん”(蒼井優)。いけちゃんは、いつもヨシオに寄り添い、お父さんが死んだときもいじめられたときも、ぼくを見守ってくれていた。だがやがて、ヨシオが成長するにつれ、いけちゃんの姿が見えなくなった…。とうとう最後の日にいけちゃんはヨシオにあることを打ち明ける――。少年と不思議な生き物・いけちゃんとのふれあいを描く、西原理恵子原作絵本の映画化。いけちゃんの声を若手人気女優・蒼井優が、ヨシオ役を『子ぎつねヘレン』の深澤嵐が担当している。
大岡俊彦
最近は、邦画を観る方が増えてきました。そのせいか、日本での映画作りも盛り上がり続けているここ数年。そんな中で、オリジナリティ溢れる映画作品に大いに貢献している女性がいます。人気漫画家の西原恵理子さん。彼女の個性的な作品群は、オリジナリティ溢れる原作を求める映画関係者には、とにかく魅力的なのでしょう。昨年は『いけちゃんとぼく』、『女の子ものがたり』が映画に。ただ、面白いのは彼女自身、TVコメンテーターとして、歯に衣着せぬ率直な言葉で世相を斬り、人気を博してもいるところ。彼女の作品のみならず、彼女自身の生き様が個性的で興味深いということなのでしょう。
主人公の少年・ヨシオと、彼にしか見ることが出来ない不思議な存在“いけちゃん”の交流を通じて、どこか寂しさや儚さを散りばめつつ少年の成長を綴った感動作『いけちゃんとぼく』が公開を迎えた。原作となった漫画家・西原理恵子の手による絵本は、絵本という枠を飛び出して、出版当時から多くの人々に絶賛されてきた。作家の角田光代さんもそんなファンの一人。作家の方に「いけちゃんとぼく」を語ってもらう特別企画「いけちゃんと恋愛小説家」もいよいよ最終回。角田さんにその魅力をうかがった。
彼女の視点で物語を見つめる人も多いのではないだろうか? 『いけちゃんとぼく』に登場する主人公の少年・ヨシオの母親・美津子は、決して“完璧な”母親ではない。育児を放棄しているわけでも、酒を飲んで息子を困らせるわけでもないのだが、自分の中にある愛を子供にどう伝えればいいか分からずに戸惑う。これまで、映画などであまり描かれてこなかったタイプの母親像のように見えるが、案外、世の多くの母親が抱いている思いを代弁しているのかも…。演じるのは、自らも4歳の息子さんを子育て中で、その様子を綴ったブログが高い人気を誇る、ともさかりえ。映画の公開を前にともさかさんが映画に込めた思いを語ってくれた。
今年、デビュー20周年を迎えた漫画家・西原理恵子。彼女の手による絵本で、文芸界を始め各界の著名人の中にも多くのファンを持つ感動作「いけちゃんとぼく」(角川書店刊)がこのたび実写映画化された。少年時代への郷愁、家族、そして最愛のひとへの想いと様々な感情を描き出す本作。小説家の方々に、その魅力を語ってもらう特別連載企画の第2弾には、エッセイ『愛人の掟』シリーズ(角川文庫刊)のほか、「お水の花道」、「よい子の味方」などのドラマの脚本も手がける梅田みかさんが登場。梅田さんの目にいけちゃんや主人公のヨシオ、そして彼らを取り巻く物語はどのように映ったのだろうか?
シンプルで力強く、思わずクスリと微笑んでしまうような画風と、強烈な笑いと優しさ、そして人生の哀しさを織り交ぜた叙情的な物語で唯一無二の世界を構築する漫画家・西原理恵子。彼女が初めて手がけた絵本「いけちゃんとぼく」がこのたび実写映画化された。これを記念し、原作絵本の大ファンである小説家の方々にその魅力を語ってもらう特別インタビュー企画を3回にわたりお届け! 第1回目に登場するのは「博士の愛した数式」、「ミーナの行進」など、その美しく繊細に紡がれる物語が多くの読者を魅了する小川洋子さん。
懐かしくて、美しくて、儚くて、時に残酷で…。誰もが体験するのに、誰もが大人になるにつれて忘れていってしまう子供時代の様々な思い。西原理恵子の絵本を原作に、そんな少年時代の瑞々しい瞬間を切り取った珠玉の物語『いけちゃんとぼく』がまもなく公開を迎える。いつの頃からか、主人公の少年・ヨシオのそばにいて、彼にだけ見ることができる“いけちゃん”。色も大きさも変幻自在、ヨシオと一緒に笑い、怒り、そして、優しく彼の成長を見守るこの不思議ないけちゃんの声を表現力豊かに演じたのは、蒼井優。映画の公開を前に、蒼井さんのロングインタビューをお届け! いけちゃんに込めた強い思いと深い愛の裏にあるものは——?