敏腕外科医の百田滴(松雪泰子)は結婚10年目に妊娠が発覚。過去に乳がんを患い、子供を授かることを期待していなかっただけに、カメラマンの夫・良介(椎名桔平)と至福の時間を味わっていた。だが、喜びも束の間、自分の右胸に違和感を感じた滴は、自己診断の結果、全身性の乳がんが再発したことを知る。38歳の滴にとって、出産はこれが最後のチャンス。しかし産んでも自分の手で育てられない…。子供を諦めて治療に専念すべきか、がんの進行を早めても子供を生むか、病を知り尽くした滴は、苦渋の決断を迫られる――。谷村志穂の同名小説を原作に、生死の境で葛藤する一人の女性の壮絶な人生と家族の絆を描いた物語。
生野慈朗