イスラエル占領下のゴラン高原。最高に幸福な日となるはずが、モナ(クララ・フーリ)も姉のアマル(ヒアム・アッバス)も悲しそうだった。それは、一度境界を越えてしまうと、もう二度と家族の元へ帰れなくなるからであった…。だが、それでも彼女たちは未来を信じ、決意と希望を胸に生きてゆく――。シリアの人気俳優の元へと嫁いでゆく若き娘の一日の物語。2004年モントリオール世界映画祭グランプリほか3冠受賞作。第21回東京国際女性映画祭上映作品。
エラン・リクリス
第三次中東戦争でイスラエルに占領され、もともと帰属していたシリアからの分断を余儀なくされたゴラン高原。この占領は国際的に認められておらず、両国はいまも未解決の複雑な帰属問題を抱えている。そんなゴラン高原の村で生まれ育ったヒロイン、モナは、シリアに住む親戚のもとへ嫁ぐことに。しかし、イスラエルとシリアの間には国交がないため、シリア国籍を得たモナが再び村に戻ることはできない。