ちょっとした悪態で日雇いの仕事を逃してしまったメル(デル・ザモラ)は、聞き覚えのある西部劇のテーマ曲に誘われるまま、あるアパートの一室にたどり着く。その曲は、自分が幼少期に出演した映画の曲だった。そして、そのアパートに住む男もまた、同じ作品に出演したフレッド(エド・パンシューロ)だった。思わぬ再会を果たした2人は、テレビで当時の脚本家・フリッツ(サイ・リチャードソン)がサイン会をやることを知る。フリッツに虐待された経験を持つ2人は、今こそ怨みを晴らすべく、メルの娘・デライラ(ジャクリン・ジョネット)をも巻き込み、復讐の旅へと旅立つのだが…。インディペンダント映画界の鬼才アレックス・コックスによる痛快な復讐ロードムービー。
アレックス・コックス
『レポマン』('84)、『シド・アンド・ナンシー』('86)とパンキッシュな世界観で多くの人々を魅了し、そのキャリアのスタートからハリウッドで輝かしい成功を収めたイギリス出身の鬼才、アレックス・コックス。それから20余年、ハリウッドの流れと逆行するがごとく、独自のスタイルでインディペンデント映画の道をひた走ってきた彼が、6年の沈黙を破り完成させたのは、アメリカ荒野を舞台にした中年男2人の“復讐”ロード・コメディ。『サーチャーズ2.0』を引っさげ来日した監督に話を聞いた。
『シド・アンド・ナンシー』や『レポマン』など、パンキッシュで毒素たっぷりの作品を世に送り出し、多くの映画マニアを虜にしてきたアレックス・コックス監督が、待望の新作『サーチャーズ2.0』を引っさげ、このたび6年ぶりの来日! 映画の公開を記念して11月21日(金)、吉祥寺バウスシアターにて本作の特別上映が行われ、コックス監督と、監督と縁深い俳優の田口トモロヲを迎え、裏話満載のトークショーが開催された。