ベートーベンの後継者と謳わた天才、ロベルト・シューマン。その夫を支えた妻クララ・シューマンもまた才能あるピアニストであり作曲家であったが、8人の子供を抱え、その才能を発揮できずにいた。そんな中、ロベルトはオーケストラの音楽監督に就任し、一家はデュッセルドルフに移り住む。最後のコンサートを大盛況のうちに終えた2人は、居酒屋でピアノを弾く若きヨハネス・ブラームスと出会う。クララは彼の才能に強く惹かれ、またヨハネスも美しく勇敢なクララに恋に落ちた。やがて、健康状態が悪化し、精神を病んだロベルトは音楽監督の地位を失ってしまい、自殺未遂を図り入院する。才能豊かで陽気なヨハネスは、ロベルトやクララの心の支えとなっていく――。
ヘルマ・サンダース=ブラームス