日本で大学に進学したい、と期待を胸に来日した35歳の男は現実に打ちのめされる。働きながら勉強するつもりでいた彼が到着したのは、北海道の阿寒町の番外地だったため、仕事がないのだ。そこを脱出しなければ生活することさえままならない。希望は消えることになったが、彼は現実を受け入れ、自分の娘に夢を託すことで目指す方向を変えていく。父親から娘へ託された夢のバトン。娘は次世代にそのバトンをつないでいく――。運命に翻弄されながらも決して希望から手を離さなかった、家族の愛の物語。10年にも及ぶ取材期間で、ある3人の家族を追いかけ、家族の大切さや働くことの意義を問いかけたドキュメンタリー。
張麗玲