貧しい家で育ったジョン・レノンには、かつてふたりの“母親”がいた。ひとりは、人生の厳しさを教えてくれた伯母のミミ。そしてもうひとりは、ジョンを産んだ実の母親で、彼に音楽を教えた陽気で奔放なジュリア。ふたりの母親はジョンに惜しみない愛情を注ぐも、彼自身は自分の気持ちを表現できず、いつも孤独の中にいた。そんなジョンは、寂しさを紛らわすため音楽へ没頭し、バンドの結成、ポール・マッカトニーとの出会いを通じて輝かしい世界へと向かっていく。しかし、ジョンの過去をめぐるある事実が、決して逃れることのできない運命へと彼を導いていく――。
サム・テイラー=ウッド