貴子(菊池亜希子)は、恋人の竹内英明から突然「結婚する」と告げられ、ショックで会社を辞める。傷心の貴子に、神保町で古書店を経営している叔父・サトルが住み込みで店の手伝いを依頼し、彼女の森崎書店での日々が始まる。風変わりな客と、神保町独特の雰囲気…。それまでろくに小説を読んだこともなかった貴子だったが、次第に本の世界や古本の魅力に引き込まれていく。そんなある日、貴子は偶然英明の姿を見かけ…。
日向朝子
昔ながらの本の街としていまなお風情を感じさせる神保町。ここにある、一軒の古本屋を舞台にした映画が誕生した。こっぴどい失恋に打ちひしがれ仕事をやめ、伯父に請われるままに彼が経営する“森崎書店”で起居することになった貴子を演じるのは菊池亜希子。ちなみに彼女は自ら文章をしたため写真とイラストをも手掛けて“街”を紹介するエッセイ「みちくさ」を発表し、その中で神保町も紹介しており、この貴子を演じるにうってつけの存在。菊池さん曰く神保町は「珈琲色の本の街」。ここで彼女はどんな想いを胸に初主演映画『森崎書店の日々』に臨んだのだろうか——?