幼い頃、水害で母を亡くした陽介は専門学校で映画を学んでいる。陽介は撮影中、川の事故で仲間が命を落としたことがきっかけに、幼き日の自分と対峙することになる。水害のあった日、あのときの自分の幻影を目にして、未だ母の死を受け入れることのできない自分に気づく。水害を、事故を、既に現実のものとして受け止めている父と姉、友人たちとの軋轢の中で孤立感を深めていく陽介は、過去と現在の自分を見つめなおすことで心に空いた穴を埋めようとするが…。
ナシモトタオ