「日本で将来の夢はない、ブラジルに帰っても外国人扱いされる…」。そんな日系ブラジル人の子どもたちが静岡県浜松市にはたくさんいる。幼いとき、デカセギの親と共に日本にやってきた彼らは日本で生まれ育っても、ブラジル国籍のため義務教育が保障されておらず、多くの子どもが中卒か、中学も中退して工場で働いている。2008年秋、突然訪れた不況で仕事を失い、ブラジルに帰ることを余儀なくされた彼ら。そこには、諦めきれぬ夢、引き裂かれた愛、そしてもう一つの故郷でやり直そうという思いがあった…。
津村公博
中村真夕