1888年。エリザベート皇后の長男でオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子ルドルフは皇太子としての自生を悲観しながらも、その場の気晴らしをしながら毎日を過ごしていた。ある日、街中のパーティ会場に身分を隠し、出席していたルドルフは男爵令嬢で17才のマリーと偶然に出会い、激しい恋に落ちた。しかし、ルドルフは陸軍大臣フリードリヒ公爵の陰謀に巻き込まれて追いつめられる。ドイツ大使館でのパーティで、死を決意したルドルフはマリーと雪の降るウィーン郊外のマイエルリング(マイヤーリング)の別荘でお互いの愛に包まれながら、短くも華麗な愛に生きた生涯を終えるのだった――。
アナトール・リトヴァク