綿花畑の奴隷として生まれたセシル・ゲインズは、ひとりで生きていくため、見習いからホテルのボーイとなり、大統領の執事にスカウトされる。それ以来、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガンという7人の大統領に仕えてきた。キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争…目の前で時代が大きく揺れ動く中、セシルは忠実に働き続けるが、執事であると同時に、“夫”であり“父”でもあった。理解を示す妻とは別に、白人に仕える父の仕事を恥じ、反政府運動に身を投じる長男。兄とは逆に、国のために戦うことを選びベトナム戦争へ志願する次男。激動の時代の中で、彼が世界の中心で見たものとは…。
リー・ダニエルズ